作品紹介
『八日目の蝉』(2010年版)は2010年3月から5月までNHK総合「ドラマ10」枠で放送された全6話のヒューマンドラマです。主演は檀れい(本作が初主演)、共演は北乃きい、倍賞美津子、坂井真紀、高畑淳子、岸谷五朗、津田寛治、吉行和子ら。原作は角田光代の第2回中央公論文芸賞受賞小説『八日目の蝉』。2010年の第27回ATP賞テレビグランプリでグランプリを受賞した傑作として記憶されています。2011年には永作博美・井上真央主演で映画化もされ、そちらも大ヒットを記録しました。
主人公・野々宮希和子(檀れい)は、既婚の男性・秋山丈博との間で実らぬ愛に苦しむ女性。丈博の言葉を信じて妊娠した子を堕ろしたあと、丈博の妻・恵津子が妊娠・出産。精神的に追い詰められ自殺未遂を図った希和子は、朦朧とした意識の中で丈博の家に忍び込み、家の中にいた生後半年の薫を衝動的に連れ去ってしまいます。そこから始まる"誘拐"ではなく"奪われた母子"としての5年半の逃亡劇。希和子は薫を"恵理菜"と呼び、名古屋、小豆島へと逃げながら、本物の母として愛情を注いでいきます——。
本作は"血のつながりを超えた母子の絆"というテーマを、檀れいの深い主演と舞台の小豆島の美しさを通じて重層的に描きました。ATP賞グランプリ受賞、Filmarks 3.9点の高評価、毎年のように再放送されるNHKドラマ10の金字塔の一つです。
話題になったポイント
檀れいの初主演・深い演技
宝塚OGの檀れいにとって初の連続ドラマ主演。"誘拐犯でありながら一番の母"という二律背反を全身で表現し、2010年度のATP賞グランプリ受賞につながりました。
小豆島の圧倒的な風景美
逃亡の舞台となる小豆島の棚田、海岸線、神社、昔ながらの民家が、ドラマの静謐な情感を支えます。ロケ地として有名になり、"聖地巡礼"の島としても知られるようになりました。
血のつながりを超えた母子の絆
誘拐事件の加害者と被害者の"娘"の関係性を、善悪の枠を超えた愛情物語として描いた大胆な構成。視聴者に深い問いを投げかける構造が高く評価されました。
ロケ地ガイド
小豆島の逃亡先
希和子と恵理菜(薫)が数年過ごす小豆島の景観は、本作の心臓部として丹念に撮影されました。
- 創麺屋:「そうめんや」
- 寒霞渓:幼少の恵理菜と希和子が海を見下ろした高台
- 洞雲山:岩の中の神社
- 中山農村歌舞伎舞台:中山農村歌舞伎の神社
- 龍水寺:島四国八十八カ所めぐりの寺
- 戸形崎:恵理菜と希和子の海辺
- 中山の棚田:虫送りの祭り棚田
- 重岩:エンドロールの風景
恵理菜の現在と過去
大人になった秋山恵理菜(北乃きい)の現在の生活シーンは、東京と関東近郊で撮影されました。
- 富士見坂:恵理菜が自転車で下った坂
- 五反田東幸ビル:恵理菜の勤務先「はなの舞」
- 城西国際大学 メディア学部:恵理菜の通う学校
- 藤塚西公園:妊娠検査薬を試した公園
- 美しが丘ウイメンズクリニック:クリニック
逃亡の軌跡・岡山&香川
誘拐後の逃避行の経路は、岡山県〜小豆島の各地で撮影されました。
- 県道28号線:路面電車が走るシーン(岡山)
- 新岡山港:恵理菜のベンチがあるフェリー乗り場
- 伊豆川のえびす橋:動物園の嘘の場所
- 福田港フェリーターミナル:希和子が逮捕された場所
- おみやげ中川商店:希和子がパンを買った場所
聖地巡礼のおすすめルート
小豆島1泊2日八日目の蝉ルート
新岡山港からフェリーで小豆島へ→中山の棚田→寒霞渓→戸形崎→福田港フェリーターミナルと巡る、ドラマの逃亡経路を追体験する1泊2日コース。
小豆島神社巡りルート
洞雲山→龍水寺→中山農村歌舞伎舞台→重岩と、小豆島の信仰と自然スポットを巡るコース。
視聴者の声・評判
評価スコア
第27回ATP賞テレビグランプリ受賞、Filmarks平均スコア★★★★3.9点。NHKドラマ10の名作として長期にわたり再放送されています。
好評だったポイント
檀れいの魂の芝居、小豆島の美しい自然、角田光代原作の深遠なテーマ、血のつながりを超えた愛情の描き方。日本ドラマ史に残る傑作として今も評価され続けている一本です。