作品紹介
『こんばんは、朝山家です。』は、2025年7月6日から9月7日までテレビ朝日系列の日曜よる10時枠で放送されたホームドラマです。脚本家・足立紳と妻・足立晃子による連載日記『ポジティブに疲れたら俺たちを見ろ!!ままならない人生を後ろ向きで進む』をベースに、夫婦のリアルな日常を赤裸々に描いた"ほぼ実話"の物語。主演は中村アンと小澤征悦、脇をさとうほなみ、小島健(Aぇ!group)、影山優佳、渡邉心結、嶋田鉄太らが固めています。
物語の中心は、国民的ヒットドラマを手がける売れっ子脚本家・朝山賢太(小澤征悦)と、夫の事務所社長を務めながら家事と子育てを一手に担うスーパーウルトラな妻・朝子(中村アン)。高校1年の長女・蝶子と、発達に特性を抱える小学6年の長男・晴太を加えた4人家族が、毎日遠慮なく本音をぶつけ合いながら難題を乗り越えていきます。自己承認欲求に振り回される夫と、家庭と仕事の両輪を必死に回す妻の衝突が、時に痛快に、時に切なく描かれるのが魅力です。
日曜10時の枠で"ホームドラマ"が放送されるのは同枠初の試み。劇中で朝山家が自分たちをモデルに「夜山家」というドラマを書くという三重構造のメタ的仕掛けや、ナレーションを多用したドキュメンタリー風の語り口も大きな特徴となっています。
話題になったポイント
"キレる妻"と"残念な夫"のリアルすぎる応酬
中村アン演じる朝子の容赦ない叱責と、小澤征悦演じる賢太の往生際の悪さが生み出す夫婦バトルは、視聴者から「自分の家を見ているよう」「心が抉られるほどリアル」と大反響。脚本家夫妻の実体験が下敷きになっているため、台詞の一つひとつに生々しい手触りがあり、笑いながらも胸に刺さると話題になりました。
ほぼ実話という強烈な説得力
原作となった足立紳氏の連載日記は、家計・夫婦喧嘩・ママ友問題・子育ての悩みまで赤裸々に綴られた"自虐エッセイ"。それをベースにした本作は、誇張と事実の境目が曖昧なまま物語が進む独特の質感があり、「こんな家庭、絶対に存在する」「自分の夫にそっくり」と主婦層を中心にSNSで共感の嵐を巻き起こしました。
発達障害の長男・晴太を巡る温かな視線
朝起きられない、感情のコントロールが難しい――そんな晴太の姿が過度に美化されることなく描かれる点も本作の特徴。担任教師役で小島健が寄り添う姿や、家族が少しずつ晴太のペースに合わせていく描写は、「過保護でも突き放すでもない、ちょうどいい距離感」として高く評価されています。
ロケ地ガイド
東京・世田谷/板橋エリア(朝山家の生活圏)
朝山家の日常が営まれる住宅街や散歩道は、東京23区西部の静かな住宅地で集中的に撮影されました。表札には架空住所「速宮五丁目3-5」が掲げられますが、外観は世田谷区周辺と推測されています。
- 一軒家:朝山家の外観として繰り返し登場する一戸建て。速宮という架空住所が貼られた玄関先は本作の象徴的カットです。
- 谷端川南緑道:朝子が物思いに耽りながら歩いたり、家族の小競り合いの舞台となる遊歩道。
- 谷端川親水公園付近の谷端川南緑道:親水公園寄りの区間で撮影された散歩シーン。四季の植栽が画面に彩りを添えます。
- 播磨坂:文京区の桜並木で知られる坂道。登下校や夫婦の帰り道として印象的に切り取られました。
- 安養院:物語の折々に差し込まれる下町情緒ある寺院。静謐なカットで心情を代弁します。
東京・多摩/城西エリア(学校・公園・商店街)
子どもたちの生活空間である学校や公園、夫婦が日常的に歩く商店街は多摩地域と城西エリアに点在。ロケ誘致に積極的な自治体の協力で撮影されました。
- 万願寺中央公園:蝶子が野球の練習に励むグラウンド。日野市のフィルムコミッションが撮影協力しています。
- 清瀬市しあわせ未来センター:保護者面談や地域イベントのシーンで使用された公共施設。
- 一本杉公園:多摩市の丘陵公園。晴太が息抜きに訪れるシーンに採用されました。
- 上石神井こもれび公園:西武新宿線沿線の地域密着型公園で、朝子が子どもと過ごす場面が撮影されました。
- たまがわ・みらいパーク:世田谷区の旧小学校跡地を活用した公園。地域コミュニティの温かさを象徴するロケーションです。
- 都立家政商店街:レトロな看板とアーケードが残る昭和情緒たっぷりの商店街。買い物シーンの定番スポット。
- えびす通り:人情味ある商店街で、家族が日常的に通う道として描かれます。
東京・都心エリア(仕事場・繁華街)
賢太の仕事やイベント、蝶子の推し活など、都心の華やかな一面を捉えるシーンで使われたロケ地です。
- 日本生命浜松町クレアタワー:賢太が打ち合わせに向かうオフィスビル。都会的なガラス張りの外観が印象的です。
- 大衆酒場たぬき:賢太が同業者と愚痴をこぼす浅草の居酒屋。昭和の香り漂う名店がそのまま登場します。
- クア・アイナ渋谷宮益坂店:ハワイアンバーガーの人気店で撮影されたランチシーン。
- あみあみ秋葉原ラジオ会館店:サブカルチャー聖地ラジオ会館内の店舗。推し活エピソードで使用されました。
- ユナイテッド・シネマ豊洲:賢太の関わる作品の上映が行われる映画館。クライマックス回の舞台にもなります。
- マイアミパティオ:レトロな雰囲気の喫茶店で、打ち合わせや密談のシーンで登場します。
神奈川・埼玉エリア(学校・郊外シーン)
子どもたちの学校シーンや郊外のロケは、神奈川県伊勢原市・埼玉県狭山市などで撮影されました。都心とは異なる開放的な風景が物語に奥行きを与えています。
- 伊勢原市立比々多小学校:晴太が通う小学校の校舎・校庭として使用。アットホームな雰囲気が晴太の居場所を象徴します。
- 伊勢原市立石田小学校:行事や別学年のシーンで撮影協力した小学校。
- 西武学園文理中学・高等学校:蝶子が通う私立高校の外観・校内として登場する埼玉県狭山市の学校。
- レストランカウベル(COW BELL)本店:神奈川の老舗洋食店。家族の外食シーンが撮影されました。
- 朝日フィットネス倶楽部ビッグエス向ヶ丘:朝子が通うフィットネスクラブとして登場。
- 大宮第二公園:埼玉県さいたま市の広大な公園。家族で訪れる休日シーンに彩りを与えます。
聖地巡礼のおすすめルート
【半日】世田谷〜板橋 朝山家の日常を辿るコース
朝山家の生活圏を味わうなら、谷端川南緑道をスタート地点に、谷端川親水公園付近まで川沿いをゆっくり散策(約40分)。その後、都電で文京区へ移動し播磨坂の桜並木を下り、〆に安養院で参拝――約3時間の散歩ルートです。ドラマの静かな余韻に浸れるコースで、カメラ片手に回れば"劇中カット"の再現も楽しめます。
【1日】浅草〜豊洲 賢太の仕事と遊び場コース
浅草の大衆酒場たぬきで昼酒気分を味わったあと、秋葉原へ移動してあみあみ秋葉原ラジオ会館店でサブカル散策。浜松町の日本生命浜松町クレアタワーを外観チェックし、夕方はゆりかもめで豊洲に渡ってユナイテッド・シネマ豊洲で映画鑑賞。賢太の"仕事と逃避"を追体験できる都心縦断ルートで、所要時間は7〜8時間が目安です。
【1日】伊勢原〜多摩 子どもたちの学び舎コース
小田急線で伊勢原に向かい、伊勢原市立比々多小学校と伊勢原市立石田小学校の外観を巡礼(外から眺めるのみ、授業中は静かに)。その後電車で多摩へ移動し一本杉公園と万願寺中央公園を訪問。締めは都立家政商店街でレトロな夕食を。移動は多いですが、郊外ロケの開放感を堪能できるコースです。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは1000件を超えるレビューが投稿され、星3.8前後の高評価をキープ。WEBザテレビジョンやGガイドの口コミでも「今期の傑作」「2025年夏ドラマの台風の目」と高い満足度を獲得しました。ORICONの各話レーティングでも満足度90%前後で推移し、地味なホームドラマながら終始安定した支持を集めた作品です。
好評だったポイント
もっとも称賛されたのはセリフの"生々しさ"。視聴者からは「本音って、実はこんなにも心を揺さぶるんだ」「夫婦の台詞がドキュメンタリーのよう」との声が多数。中村アンの怒りとユーモアを行き来する振り切った芝居、小澤征悦の情けなさを体現する絶妙な表情、晴太を演じる嶋田鉄太の自然体の演技が三位一体で高く評価されました。また、ロケ地が都心から多摩・神奈川・埼玉まで広範囲に散らばっていることから、ロケ地巡礼記を書くブロガーも多く、"歩けるドラマ"としても人気を博しています。