作品紹介
『あすか』は1999年10月4日から2000年4月1日まで放送されたNHK連続テレビ小説第61作。主演は竹内結子(宮本あすか役)で、本作が竹内の初主演作。共演は藤木直人(晴明役)、佐藤仁美、藤岡弘(禄太郎役)、紺野美沙子(京子役)、芦屋雁之助、名取裕子、金田龍之介、安田成美など。脚本は田渕久美子。奈良県明日香村と京都市を舞台に、京菓子職人を目指す少女・あすかが、バブル景気での経営失敗と幼馴染との結婚を経て、故郷で再起して新しい和菓子を作り上げるまでの約40年間の半生を描く朝ドラの名作です。
京都の老舗和菓子店「扇屋一心堂」の娘・宮本京子(紺野美沙子)は、看板職人の宮本禄太郎(藤岡弘)と恋に落ち、父が取り決めた結納の席から駆け落ち。身を寄せた奈良・明日香村で娘・あすかを授かり、親子3人で慎ましやかに暮らします。しかし扇屋一心堂の経営不振の知らせを受け、家族は再び京都に移り住むことに。明日香の風土と和菓子の心を胸に成長したあすか(竹内結子)は、美大の受験失敗を契機に、和菓子職人になることを決意します。父・禄太郎の弟子修業時代の思い出、母・京子の老舗の重圧、幼馴染・笹川晴明(藤木直人)との淡い恋――和菓子と家族の40年が、平成日本人の心に染み入る朝ドラの傑作として記憶されています。
本作は奈良県明日香村(稲淵の棚田、亀石、石舞台古墳、酒船石、猿石、坂の茶屋など飛鳥の遺跡群)、宇陀市旧宇太小学校、京都府京都市(鴨川河川敷、上賀茂神社、京都府立鳥羽高等学校、長楽館、塩芳軒、祇園新橋通り)、石川県輪島市(鴨ヶ浦)など、奈良・京都・北陸を縦横に巡るロケが見事。とくに飛鳥の棚田・古墳群と京都の祇園・京菓子の老舗を対比させた構図は、田渕久美子脚本の真骨頂として高く評価されました。
話題になったポイント
竹内結子の初主演・朝ドラヒロイン
当時19歳だった竹内結子が、朝ドラ第61作のヒロインに大抜擢。本作が初主演作となり、後の『プライド』『ストロベリーナイト』『ミス・シャーロック』へと続く女優人生の原点となりました。竹内結子の透明感ある演技と、和菓子職人としての強い意志が、朝ドラヒロインの新しい像を打ち立てました。
明日香村の飛鳥遺跡群を背景に
奈良県明日香村の稲淵の棚田、亀石、石舞台古墳、酒船石、猿石など、飛鳥時代の遺跡群を背景に物語が展開。和菓子と飛鳥の風土を結びつけた田渕久美子脚本の世界観は、朝ドラに新しい風を吹き込みました。
朝ドラ初の「インターネット」登場
本作は朝ドラの中で初めて「インターネット」という言葉が劇中で登場した作品としても知られています。平成日本の現代性を取り入れた朝ドラとして、放送当時話題になりました。
ロケ地ガイド
明日香村・飛鳥エリア
あすかのふるさと。
- 稲淵の棚田:奈良県明日香村稲淵、あすかのふるさとの棚田。
- 亀石:奈良県明日香村川原、和菓子「亀石」のモチーフ。
- 石舞台古墳:奈良県明日香村島庄、家出のあすかが夜を明かした場所。
- 酒船石:奈良県明日香村岡、博士の遺跡解説シーン。
- 猿石:奈良県明日香村平田、博士の遺跡解説シーン。
- 坂の茶屋:奈良県明日香村岡、岡寺への坂道の峠の茶屋。
- 旧宇太小学校:奈良県宇陀市菟田野区古市場、あすかの小学校。
京都市エリア
扇屋一心堂と祇園。
- 鴨川の河川敷:京都市中京区末丸町、頻出する川原。
- 上賀茂神社:京都市北区上賀茂本山、お宮参りの神社。
- 京都府立鳥羽高等学校:京都市南区西九条大黒町、京都総合病院。
- 長楽館:京都市東山区祗園円山公園、重要シーンのロケ地。
- 塩芳軒:京都市上京区黒門中立売上る、京菓子「扇屋一心堂」のモデル店。
- 祇園新橋通り:京都市東山区元吉町、扇屋一心堂のある祇園の街。
輪島エリア
あすかの旅路。
- 鴨ヶ浦:石川県輪島市輪島崎町、輪島塗の漆器を手がかりに京子を探した海岸。
聖地巡礼のおすすめルート
飛鳥・明日香ルート
稲淵の棚田から亀石、酒船石、猿石、石舞台古墳を巡る、あすかのふるさと飛鳥遺跡群の王道コース。
京菓子・祇園ルート
塩芳軒(扇屋一心堂のモデル)と祇園新橋通りを散策、長楽館と上賀茂神社を巡る、京菓子と祇園の散策コース。
輪島・北陸ルート
鴨ヶ浦で輪島塗の海岸を訪ね、あすかの旅路を辿る北陸聖地コース。
視聴者の声・評判
評価スコア
朝ドラ第61作として、平均視聴率20.3%を記録。田渕久美子の代表作にして、竹内結子の出世作。現在も再放送のたびに新しいファンを獲得する朝ドラの名作です。竹内結子追悼放送でも再注目された傑作です。
好評だったポイント
「竹内結子の透明感が眩しい」「飛鳥遺跡群と和菓子の組み合わせが新鮮」「藤岡弘の頑固な父親役が見事」「紺野美沙子の母親役が温かい」「藤木直人の青年期演技が爽やか」「京都祇園と明日香村の風景が美しい」「和菓子と家族40年の物語が感動的」――朝ドラの中でも長く愛され続ける名作です。