作品紹介
『ディア・ファミリー』は2024年6月14日公開の日本映画。監督は月川翔、主演は大泉洋。原作はノンフィクション作家・清武英利の『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』です。愛知県で実際に起きた出来事をもとに、余命10年と宣告された娘の命を救うため、医療の門外漢だった町工場経営者が人工心臓の開発に人生を捧げる姿を描きます。
1970年代。小さな町工場を営む坪井宣政(大泉洋)は、次女・佳美(福本莉子)が先天性の心臓疾患を抱え、余命10年だと宣告されます。医師から「打つ手はない」と言われた宣政は、それならば自分でつくるしかないと、人工心臓の開発に立ち上がります。医学の知識も人脈もないまま大学病院を訪ね歩き、妻・陽子(菅野美穂)と家族に支えられながら、途方もない挑戦を続けていきます。やがてその技術は、人工心臓とは別のかたち――IABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルとして結実し、世界で17万人の命を救うことになります。
モデルとなったのは、愛知県春日井市の東海メディカルプロダクツ会長・筒井宣政とその家族。撮影は愛知県フィルムコミッション協議会の全面協力のもと、名古屋市、豊橋市、春日井市、豊川市、津島市、西尾市、江南市という県内7市で行われました。昭和の空気が残る津島駅やリニア・鉄道館、町工場のシーンを担った昌和工業など、愛知の風景が物語の実在感を支えています。共演は川栄李奈、新井美羽、上杉柊平、有村架純、松村北斗、光石研ほか。
話題になったポイント
世界で17万人を救った実話
宣政が最終的に完成させたIABPバルーンカテーテルは、心臓の機能を補助する医療機器として世界中で使われ、17万人以上の命を救ったとされます。「娘ひとりを救えなかった技術が、無数の他人を救った」という事実が、本作にほかにない重みを与えています。
愛知県内7市を巡る大規模ロケ
愛知県フィルムコミッション協議会の支援を受け、名古屋・豊橋・春日井・豊川・津島・西尾・江南の7市で撮影。公開に合わせて県内の映画館や観光案内所でロケ地マップが配布されるなど、地域を挙げた作品となりました。
大泉洋×菅野美穂の夫婦
無謀とも言える挑戦に突き進む宣政を大泉洋が、それを支え続ける妻・陽子を菅野美穂が演じます。喜劇的な軽さと切実さを行き来する大泉洋の芝居が、23年におよぶ長い物語を最後まで牽引します。
ロケ地ガイド
春日井・名古屋エリア(町工場と開発の舞台)
物語の中心となる、宣政の仕事場と技術の現場。
- 昌和工業:愛知県春日井市。坪井宣政が経営する町工場のシーン。実話の舞台となった東海メディカルプロダクツも春日井市にあります。
- 株式会社ベルテック:愛知県名古屋市守山区。工場の内部シーン。
- リニア・鉄道館:愛知県名古屋市港区金城ふ頭。昭和の鉄道車両が並ぶシーン。JR東海の鉄道博物館で、新幹線から在来線まで実物車両が展示されています。
津島・豊川エリア(昭和の街並み)
- 津島駅:愛知県津島市錦町。昭和の情緒が残る駅のシーン。名鉄津島線・尾西線が乗り入れる歴史ある駅です。
- 豊川稲荷駐車場前交差点:愛知県豊川市豊川町。街なかを走行するシーン。日本三大稲荷のひとつ豊川稲荷の門前です。
豊橋・西尾・江南エリア(家族の記憶)
- 芦原小学校:愛知県豊橋市。佳美が通う小学校のシーン。
- 幡豆中学校:愛知県西尾市西幡豆町。中学校のシーン。
- 写真館かつみ:愛知県江南市。坪井家が家族写真を撮る写真館。
- 一色さかな広場:愛知県西尾市一色町。クラシックカーが集結したシーン。三河湾の海の幸が並ぶ人気の市場です。
三重・伊勢志摩エリア
- ともやま公園 桐垣展望台:三重県志摩市大王町船越。英虞湾を望む展望シーン。リアス式海岸に真珠いかだが浮かぶ、夕日の名所として知られます。
聖地巡礼のおすすめルート
春日井・名古屋 工場ルート
昌和工業のある春日井から名古屋へ移動し、株式会社ベルテックを経てリニア・鉄道館へ。あおなみ線・金城ふ頭駅直結の鉄道館は展示だけで半日楽しめます。宣政の「ものづくり」を辿るコース。
津島・豊川 昭和レトロルート
名鉄で津島駅を訪ね、津島神社の門前町を歩いてから、豊川稲荷駐車場前交差点のある豊川稲荷へ。昭和の街並みが残るロケ地をつなぐ、愛知一日コースです。
西尾・志摩 海のルート
一色さかな広場で三河湾の海の幸を味わい、幡豆中学校周辺を通って、足を延ばして三重のともやま公園 桐垣展望台へ。英虞湾に沈む夕日は必見です。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksの平均スコアは★4.1。2024年公開の実話ベース作品のなかでも高評価で、Netflixでの配信開始後にさらに視聴者を広げました。
好評だったポイント
「実話だと知って余計に泣ける」「大泉洋の熱量がすごい」「菅野美穂の母親像が芯にある」「福本莉子の佳美が健気で忘れられない」「町工場のものづくりの描写が丁寧」「愛知の風景がちゃんと物語に効いている」――ひとりの娘を救えなかった父の23年が、結果として世界中の患者を救ったという事実に打たれる、という感想が数多く寄せられています。