作品紹介
『ファーストキス 1ST KISS』は2025年2月7日公開の日本映画。『花束みたいな恋をした』『怪物』の脚本家・坂元裕二と、『あなたの番です』『Nのために』の塚原あゆ子監督が初めてタッグを組み、オリジナルストーリーで描いた恋愛映画です。主演は松たか子と松村北斗。共演にリリー・フランキー、吉岡里帆、森七菜。
結婚して15年、硯カンナ(松たか子)は夫・駈(松村北斗)を事故で失います。長い年月のなかで、二人の関係はとうに冷え切っていたはずでした。ところが、ふとしたきっかけでタイムトラベルする手段を得たカンナは、15年前――自分と出会う直前の駈のもとへ戻ります。若く、まだ何も知らない駈と向き合ううちに、カンナは自分が今もなお彼を好きだったことに気づき、15年後に起きる事故から彼を救おうと決意します。
撮影は2024年5月。ロケ地は千葉、山梨、長野、静岡、東京と広範囲にわたります。事故現場となる東葉高速鉄道 村上駅、過去へ向かう入口として登場する養老渓谷 二階建てトンネル、劇中の「星ヶ丘リゾートホテル」として使われたフルーツパーク富士屋ホテル、そしてカンナと駈が手を繋いで歩く長野・茅野市の横谷観音の白樺並木。それぞれの場所が、二人の関係の変化する瞬間と結びついています。
話題になったポイント
坂元裕二×塚原あゆ子の初タッグ
会話劇の名手・坂元裕二と、映像の情感で見せる塚原あゆ子監督が初めて組んだオリジナル作品。原作ものではない完全新作のタイムトラベル恋愛劇として、公開前から高い注目を集めました。
松たか子と松村北斗の「15年の距離」
倦怠期の夫婦と、出会う前の若い青年――同じ相手との二つの時間を行き来する構造が、松たか子と松村北斗の芝居によって成立しています。ラストシーンにおける松村北斗の声の使い方が特に評価されました。
茅野・山梨の風景が担う情感
長野県茅野市の横谷観音の白樺並木と北八ヶ岳ロープウェイ、山梨県のフルーツパーク富士屋ホテルと山梨県笛吹川フルーツ公園。八ヶ岳と甲府盆地の風景が、カンナが孤独から「二人」へ変わっていく過程を映像で語ります。諏訪圏フィルムコミッションが撮影を支援しました。
ロケ地ガイド
千葉エリア(事故とタイムトラベルの入口)
物語を動かす、決定的な出来事の舞台。
- 東葉高速鉄道 村上駅:千葉県八千代市村上南。冒頭で駈が事故に遭う駅。
- 養老渓谷 二階建てトンネル:千葉県夷隅郡大多喜町葛藤。カンナがタイムスリップで過去へ向かうトンネル。「共栄トンネル」の通称で知られる、上下二段構造の珍しいトンネルです。
- 森のホール21:千葉県松戸市千駄堀。劇中の舞台「猫耳王子の薔薇戦争」のシーン。
山梨エリア(星ヶ丘リゾートホテル)
- フルーツパーク富士屋ホテル:山梨県山梨市江曽原。劇中の「星ヶ丘リゾートホテル」。ロビー、テラス、チャペルのシーンに使われた本作のメインロケ地で、甲府盆地の夜景が一望できます。
- 山梨県笛吹川フルーツ公園:山梨県山梨市江曽原。パーティーシーン。園内の噴水広場とバインカスケードが登場します。
長野・茅野エリア(二人の風景)
- 横谷観音の白樺並木:長野県茅野市北山。カンナと駈が手を繋いで歩く並木道。孤独から「二人」へ変わる景色として印象的に使われています。
- 北八ヶ岳ロープウェイ:長野県茅野市北山。景色を眺めながら語り合うシーン。標高2237メートルの坪庭まで一気に上がれます。
静岡・東京エリア
- 無上帑:静岡県富士市南松野。かき氷店での会話シーン。
- 東塔堂:東京都渋谷区鶯谷町。古書店でのシーン。デザイン・アート系の古書を扱う店です。
- 国立科学博物館:東京都台東区上野公園。恐竜の展示を見つめるシーン。
聖地巡礼のおすすめルート
茅野・八ヶ岳 二人の風景ルート
横谷観音の白樺並木を歩き、北八ヶ岳ロープウェイで山頂へ。カンナと駈がもっとも近づいた風景を辿る、茅野一日コース。新緑と紅葉の時期がとくに美しく、諏訪エリアの温泉と組み合わせるのもおすすめです。
山梨・星ヶ丘リゾートルート
フルーツパーク富士屋ホテルに宿泊し、隣接する山梨県笛吹川フルーツ公園を散策する一泊コース。日本三大夜景に数えられる甲府盆地の夜景を、劇中と同じ場所から眺められます。
千葉・タイムトラベルルート
東葉高速鉄道 村上駅から始めて、房総へ足を延ばし養老渓谷 二階建てトンネルへ。過去への入口をくぐる、千葉横断のドライブコース。養老渓谷は紅葉の名所でもあります。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksの平均スコアは★4.1。2025年公開の日本映画のなかでも上位の評価で、坂元裕二の脚本を目当てに劇場へ足を運んだ層からも高い支持を得ました。
好評だったポイント
「坂元裕二の会話がやっぱりうまい」「松たか子の表情の変化だけで泣ける」「松村北斗の若い駈が眩しい」「ラストの声の演技にやられた」「切なさと笑いのバランスがいい」「白樺並木のシーンが美しい」――タイムトラベルという装置を使いながら、描かれているのはあくまで夫婦の再生であるという構成が高く評価されています。