作品紹介
映画『銀河鉄道の父』は2023年5月5日に公開された、門井慶喜の直木賞受賞小説を原作とする感動のヒューマンドラマです。没後90年を迎えた宮沢賢治を、その父・政次郎の視点から描いた異色の伝記映画です。
岩手県花巻市で質屋を営む宮沢政次郎(役所広司)は、長男・賢治(菅田将暉)の誕生を喜び、家業を継いでほしいと願います。しかし賢治は農業、鉱物採集、宗教など次々と興味の対象を変え、父の期待に応えようとしません。そんな中、賢治の妹トシ(森七菜)が結核に倒れます。
トシの死に打ちひしがれる賢治に、政次郎は「お前は物語を書け」と促します。息子の才能を信じ、時に厳しく時に温かく見守り続けた父の深い愛情が、やがて「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」といった不朽の名作を生み出す力となっていきます。
話題になったポイント
役所広司の圧倒的な父親像
カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した年に公開された本作で、役所広司は明治時代の厳格でありながら深い愛情を持つ父親を見事に体現。息子への複雑な思いを繊細に表現した演技が絶賛されました。
岐阜県恵那市岩村町での本格ロケ
現在の花巻市には明治・大正期の街並みが残っていないため、全国をロケハンした結果、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている岐阜県恵那市岩村町が選ばれました。城下町の風情が花巻の街を見事に再現しています。
宮沢賢治の新たな一面
「銀河鉄道の夜」の作者として知られる賢治を、挫折を繰り返す人間臭い青年として描いた点が新鮮でした。父と子の普遍的な絆の物語として、幅広い世代の共感を呼びました。
ロケ地ガイド
岐阜県恵那市エリア(メインロケ地)
- 岩村城下町(岩村町本通り):花巻市の街並みとして撮影されたメインロケ地。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された美しい城下町です。
- 木村邸:宮沢家の邸宅シーンが撮影された歴史的建造物。一般公開されており見学可能です。
- 勝川家:劇中の重要な建物シーンに使用された商家。岩村町の歴史を伝える貴重な建築です。
岩手県花巻市エリア(賢治ゆかりの地)
- 羅須地人協会:賢治が農民に講義した場所として知られ、映画でも撮影が行われました。現在は花巻農業高校構内に移築されています。
- 宮沢賢治自耕の地「下ノ畑」:北上川堤防近くにある賢治ゆかりの場所。賢治とトシのシーンが撮影されました。
聖地巡礼のおすすめルート
岐阜・岩村城下町コース(半日)
明知鉄道岩村駅から岩村城下町本通りへ。木村邸、勝川家を巡り、映画で見た花巻の街並みを体感できます。岩村城跡まで足を延ばせば、日本三大山城の絶景も楽しめます。五平餅やカステラなど地元グルメも魅力です。
花巻・賢治ワールドコース(1日)
花巻駅を起点に、宮沢賢治記念館、宮沢賢治童話村を巡り、羅須地人協会と「下ノ畑」を訪問。賢治の世界観と映画のシーンを重ね合わせながら、花巻の自然と文化を満喫できます。花巻温泉郷での宿泊もおすすめです。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは3.6前後の高評価。役所広司と菅田将暉の演技が特に高く評価されています。
好評だったポイント
「父と子の関係に胸が熱くなった」「宮沢賢治の作品を読み返したくなった」という声が多数。役所広司の抑制の利いた演技と菅田将暉の情熱的な演技の対比が見事で、「何度見ても泣ける」という感想も。岩村城下町の美しい映像美も高く評価されました。