作品紹介
『配達されたい私たち』は2013年5月から6月までWOWOWの「連続ドラマW」枠で放送された全5話のヒューマンコメディです。主演は塚本高史、共演は栗山千明、長谷川京子、堀部圭亮、柄本佑ら豪華キャスト。原作は一色伸幸の同名小説、脚本も一色伸幸自身が手掛けました。人生に絶望した男が、7通の手紙を届けるうちに人との出会いを重ね、少しずつ再生していく心温まるロードムービー型ドラマです。
主人公・澤野始(塚本高史)は、32歳でうつ病に苦しみ、妻と6歳の息子との関係も破綻寸前。仕事も失い、ついに閉館した映画館で首吊り自殺を試みるも失敗します。その廃墟で、宛先書きしかない7通の古い手紙を発見した澤野は、自らの死へのカウントダウンとして、その手紙を一通ずつ実際に配達することを決意します。手紙の送り主を探し、受取人に届けるうちに、澤野は様々な人間ドラマと出会い、人生の最後に改めて"生きる意味"を問い直していきます。
各話のゲストとして栗山千明、長谷川京子、石黒賢、佐藤二朗、黒谷友香、柳家喬太郎、中尾明慶らが登場し、毎回独立した人情コメディ・人情サスペンスが展開。涙と笑いとほんの少しの再生感に満ちた、一色伸幸らしい大人のヒューマンドラマです。
話題になったポイント
一色伸幸の原作・脚本
『シムソンズ』などで知られる脚本家・一色伸幸自らが原作小説を書き下ろし、自ら脚色した意欲作。絶望と再生、別れと出会いを描く繊細な筆致は、彼の作家性が凝縮された代表作の一つです。
WOWOWドラマの贅沢なキャスト
塚本高史、栗山千明、長谷川京子、石黒賢、大地康雄、根岸季衣、佐藤二朗、京野ことみなど、各話ゲストキャストの豪華さもWOWOWドラマならでは。短いエピソードでも濃密な芝居が堪能できます。
涙とユーモアが同居する異色ロードムービー
主人公が"死ぬための旅"を、いつしか"生きるための旅"に転換させていく構成が秀逸。一話一話に笑いと涙が丁寧に織り込まれた"大人の童話"のような趣があります。
ロケ地ガイド
澤野始の日常と始発点
物語の起点となる東京と、澤野が死を決意する場所は、都内の象徴的なスポットで撮影されました。
- コマデ理容舗:岡江理容室
- 木更津東映:澤野始が首吊りに失敗した閉館シネマ大船
- 大船観音寺:第1話で岡江有が澤野始を見つけた場所
- 真福寺:第1話で岡江有が澤野始を連れ出した寺
- 湘南モノレール大船駅:第1話で澤野が父親を見送った駅
手紙を届ける旅の各地
7通の手紙を配達する道中は、関東・東海・沖縄を横断する多彩な景色が舞台となりました。
- 小湊鉄道上総鶴舞駅:第1話の「かえすみなと駅」
- 国立霞ヶ丘陸上競技場:第2話の旗を見た場所
- 片瀬西浜海水浴場:第2話の海辺のロードワーク
- 湘南モノレール:第3話の加納笑子と澤野が乗った
- 湘南海岸公園:第3話の浜辺の会話
- 小山町立須走小学校:第3・4話の澤野の通学小学校
静かに心が動くシーン
物語の節目となる静謐な場面は、都内の印象的な場所で撮影されました。
- Cotton field:第4話の珈琲店
- 飯田橋歩道橋:第4話の思いつめた歩道橋
- 鎌ヶ谷総合病院:第4話の西鎌倉総合病院
- 由比ヶ浜付近の国道134号線:第4話のバス降車シーン
- PAL:最終話のメール確認場所
聖地巡礼のおすすめルート
大船・湘南モノレールルート
大船観音寺→湘南モノレール大船駅→湘南モノレール→湘南海岸公園と、澤野始の旅の起点を辿る湘南コース。
千葉・小湊鉄道ローカル線旅
小湊鉄道上総鶴舞駅を訪れる千葉のローカル線旅。映画的なロマンあふれるレトロな駅舎で、ドラマの哀愁を味わえます。
視聴者の声・評判
評価スコア
WOWOW連続ドラマWの秀作として、原作ファン・一色伸幸ファン・キャストファンから支持を獲得。"涙と笑いのバランス"が絶妙と評価されています。
好評だったポイント
塚本高史の等身大の絶望芝居、豪華ゲスト陣の短くも濃密な共演、一色伸幸の詩的な脚本、そして再生の希望を感じさせるラスト。大人のヒューマンドラマの良作として、再放送のたびに新たなファンを獲得しています。