作品紹介
『ハケンの品格』は、2007年1月から3月まで日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマです。篠原涼子演じるスーパー派遣社員・大前春子が、大手総合食品会社「S&F」に時給3,000円で派遣され、「残業・休日出勤は一切なし」「担当セクション以外の仕事はしない」「契約期間3ヶ月の延長なし」という厳格な条件のもとで働く姿を描きます。
同時期に配属された新人派遣社員の森美雪(加藤あい)、温厚な正社員・里中賢介(小泉孝太郎)、大前春子と何かと衝突する主任・東海林武(大泉洋)など個性豊かなキャラクターが織りなす職場ドラマです。派遣労働者の立場や正社員との格差という社会問題を扱いながらも、痛快なエンターテインメントとして仕上げられた作品で、平均視聴率20.1%、最高視聴率26.0%を記録する大ヒットとなりました。
2020年には13年ぶりに続編となる第2シリーズが放送され、再び大きな話題を呼びました。
話題になったポイント
大前春子の圧倒的スキルと痛快さ
主人公・大前春子は「特Aランク」の派遣社員として、あらゆる資格と技能を持つスーパーウーマンです。毎回、職場で起こるトラブルを意外なスキルで鮮やかに解決する展開が視聴者を魅了しました。社会的弱者とされがちな派遣社員の立場を逆手に取り、実力で正社員を圧倒する姿は多くの働く人々に爽快感を与え、「派遣の品格」という言葉が流行語になるほどの社会現象を巻き起こしました。
篠原涼子と大泉洋の絶妙な掛け合い
「とっくり」こと大前春子と「くるくるパーマ」こと東海林武の掛け合いは、本作最大の見どころの一つです。春子が東海林のパーマを「腐れマリモ」と呼んで挑発し、東海林が激昂するやり取りは視聴者から「神回」と称賛されました。犬猿の仲ながらも次第に互いを認め合っていく二人の関係性は、コメディとロマンスが絶妙に融合した本作の魅力を象徴しています。
派遣労働という社会テーマの先見性
2007年当時の派遣労働問題をリアルに描きながらも、重くなりすぎないエンターテインメントに仕上げた脚本が高く評価されました。派遣社員と正社員の待遇格差、ワークライフバランス、働き方の多様性といったテーマは、放送から約20年が経った現在でも色褪せることなく、むしろ時代を先取りしたメッセージとして再評価されています。
ロケ地ガイド
丸の内・日本橋エリア
ドラマの主要舞台であるS&F社やオフィス街のシーンは、丸の内周辺で多く撮影されました。東京のビジネス街の象徴的な景観が作品の雰囲気を引き立てています。
- 丸の内北口ビル:S&F社の外観として使用されたメインロケ地
- 丸ビル:派遣会社「ハケンライフ」のあるオフィス街として登場
- 品川イーストワンタワー:S&F MARUNOUCHI Buildingのエントランスとして撮影
- 丸の内仲通り:森美雪達が「ハケン弁当」のアンケートを取っていた場所
- 丸の内仲通り:最終話で森美雪と一ツ木慎也が歩いていた場所
- 日本橋川の常盤橋:森美雪が休日に大前春子と携帯で話していた橋
- 常盤橋交差点:森美雪がタクシーに乗っているのを大前春子が見かけた交差点
銀座・日比谷エリア
食事シーンや街歩きのシーンでは、銀座・日比谷エリアが多く使われています。
- 銀座アクトビル:派遣会社「ハケンライフ」の広告塔のあるビル
- 月の蔵 銀座店:森美幸が合コン中にツネさんを見かけた店
- HiRo丸ビル店:森美幸が他の派遣社員とランチしていたイタリアンレストラン
- 日比谷シティ:夜に里中賢介と森美雪が「ハケン弁当」のアンケートを取っていた場所
- 日比谷公園:最終話でOL達がハケン弁当を食べていた噴水のある公園
横浜エリア
横浜方面でも複数のシーンが撮影されており、港町の雰囲気が作品に彩りを添えています。
- 日本大通り:大前春子がバスに乗る「丸の内北バス停」のシーン
- 旧第一銀行横浜支店:大前春子がリストラされた「東京STB信託銀行」として登場
- 横浜市中央卸売市場 本場:ツネさんがまぐろを手に入れる魚市場
湾岸・臨海エリア
東京湾岸エリアでは印象的なシーンが数多く撮影されました。
- 竹芝埠頭公園:「ハケン弁当」販売フェアの会場として使用
- 汐留シオサイト:最終話で里中賢介が歩いていた場所
- 豊洲埠頭:大前春子がスカイダイビングで着陸した衝撃的なラストシーン
- 晴海大橋:森美雪が母親と電話していた橋
- 日本テレビタワー:S&Fの社員食堂として撮影
その他のエリア
東京近郊の各所でもロケが行われ、キャラクターの日常シーンを彩りました。
- 両山堂印刷所:大前春子が居候している「cafe cantante」
- 小田原ダイナシティWEST:大前春子と東海林武が訪れたショッピングセンター
- 大宮タカシマヤ:大前春子と小笠原繁が市場調査に行ったデパート
- シルスマリア本店:チョコレートの名店「シルスマリオ」として登場
- リーガロイヤルホテル東京:東海林武達が招待された結婚式場
- 横網町公園:大前春子が東海林武を見つけた内堀公園
- 泉ガーデンタワー:最終話で近耕作の次の派遣先として登場
聖地巡礼のおすすめルート
丸の内オフィス街コース(半日)
東京駅を起点に、S&F社のロケ地である丸の内北口ビルからスタート。丸ビル周辺を散策し、丸の内仲通りでハケン弁当のアンケートシーンに思いを馳せましょう。その後常盤橋方面へ歩き、日本橋エリアを巡ります。丸の内は実際のオフィス街なので、ランチタイムには作品の雰囲気をリアルに感じられます。
銀座・日比谷散策コース(半日)
銀座アクトビルでハケンライフの広告塔を確認した後、銀座エリアの月の蔵やHiRo丸ビル店周辺を散策。その後日比谷シティから日比谷公園へ移動し、最終話でOL達がハケン弁当を食べていた噴水広場を訪れるルートです。銀座でのショッピングも楽しめる贅沢なコースです。
湾岸エリアコース(半日)
日本テレビタワー(汐留)からスタートし、汐留シオサイトを散策。その後竹芝埠頭公園でハケン弁当販売フェアの雰囲気を味わい、晴海大橋を渡って豊洲埠頭へ。大前春子がスカイダイビングで降り立った最終話の名シーンの地を訪れ、巡礼の締めくくりとしましょう。
視聴者の声・評判
評価スコア
平均視聴率20.1%、最高視聴率26.0%(最終話)を記録し、2007年冬クールのドラマの中でトップクラスの成績を収めました。初回から20%超えを果たし、全話を通じて高い視聴率を維持した安定感のある作品です。
好評だったポイント
視聴者からは「派遣社員という社会的弱者な立場を逆手にとっての主人公の活躍は、毎回観ていて気持ちがよい」「まわりを固める登場人物も個性的で笑えるし、見応えがある」といった高い評価が寄せられています。特に篠原涼子と大泉洋の掛け合いは「最高すぎる」「いいコンビ」と絶賛され、笑いと感動のバランスが絶妙な脚本、働くことの意味を考えさせられるメッセージ性、そして痛快なストーリー展開が幅広い世代の支持を集めました。13年後の続編が実現したことからも、本作が長く愛され続けている名作であることがうかがえます。