作品紹介
『花子とアン』は2014年度前期放送のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)第90作で、2014年3月31日から9月27日まで放送されました。「赤毛のアン」の翻訳者として知られる村岡花子の半生を、姪の村岡恵理によるノンフィクション『アンのゆりかご――村岡花子の生涯』を原案にフィクションとして描いた作品です。脚本は中園ミホ、ヒロイン・安東はな(村岡花子)役を吉高由里子が演じました。
明治の終わり、山梨県甲府の貧しい農家に生まれた安東はなは、給費生として東京の東洋英和女学院に編入。そこで生涯の親友となる柳原白蓮(仲間由紀恵)と出会い、英文学とキリスト教に触れて翻訳家の素地を育てていきます。卒業後、出版社・印刷業を営む村岡英治(鈴木亮平)と結婚し、戦時下の苦難の中、ラジオでも親しまれた「ラジオのおばさん」として活躍。終戦後はモンゴメリの『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』(『赤毛のアン』)の翻訳に打ち込み、世に送り出します。
初回から最終回までの期間平均視聴率は22.6%を記録し、21世紀以降の朝ドラとしては『さくら』に次ぐ高視聴率を残しました。村岡花子の翻訳人生、白蓮事件で知られる柳原白蓮との"腹心の友"の絆、戦争を生き抜いた女性たちの強さが、丁寧に描かれた一作です。
話題になったポイント
「腹心の友」白蓮との友情
仲間由紀恵が演じた柳原白蓮(白蓮事件で知られる歌人)と、はなとの"腹心の友"の友情が物語の大きな軸。階級も境遇も違う二人の生涯にわたる絆が、視聴者の涙を誘いました。
戦時下のラジオ放送と翻訳への情熱
戦時中、敵性語として英語が排除される中、密かにモンゴメリ作品の翻訳を続けたはなの姿。終戦後すぐに『赤毛のアン』を世に送り出すまでの執念は、本作のクライマックスです。
カナダ・プリンスエドワード島ロケ
『赤毛のアン』の舞台、カナダ・プリンスエドワード島の「グリーン・ゲイブルズ」での海外ロケを敢行。原作ファン垂涎の景色がオープニングや要所で登場しました。
ロケ地ガイド
カナダ・グリーン・ゲイブルズ
『赤毛のアン』の聖地でもあるカナダロケ。
- グリーンゲイブルズ:カナダ・プリンスエドワード島で撮影された『赤毛のアン』の舞台。
山梨・甲府〜安東家のシーン
はなの実家・甲府周辺の田園風景。
東洋英和女学校・東京シーン
はなが学んだ女学校とその後の東京シーン。
- 東洋英和女学院中学部:はなが編入した女学校のロケ地。
- 一橋大学:明治大正期の知的空間。
- 鳩山会館:洋館のシーン。
- 東京国立博物館:明治の文化施設として登場。
明治村・茨城・千葉シーン
明治大正の建築と田園風景。
- 明治村 北里研究所:「修和女学校」「印刷所」など複数の場面で活用。
- 明治村 旧帝国ホテル:華やかな社交シーン。
- 明治村 蒸気機関車12号:明治の鉄道シーン。
- 明治村 天童眼鏡橋:橋の欄干シーン。
- 旧上岡小学校:朝ドラ常連の木造校舎。
- 里川の河原、曲がった木のある道、千葉県立房総のむら、群馬大学工学部、観福寺、起雲閣、九十九里浜中里海岸、旧伊藤伝右衛門邸:明治大正の風景描写と白蓮の嫁ぎ先など。
聖地巡礼のおすすめルート
山梨・甲府ルート
八ヶ岳少年自然の家から韮崎市民俗資料館、勝沼ぶどうの丘を巡れば、はなの故郷甲府の世界を体感できます。
明治村ルート(愛知)
愛知県犬山市の明治村 北里研究所、明治村 旧帝国ホテル、明治村 天童眼鏡橋などを一日で巡れます。明治の建築群が朝ドラ世界そのもの。
白蓮ゆかりの伊藤伝右衛門邸(福岡)
旧伊藤伝右衛門邸は、柳原白蓮が嫁いだ筑豊の炭鉱王・伊藤伝右衛門の旧邸。本作で白蓮が暮らした豪邸として登場し、白蓮事件の舞台でもあります。
視聴者の声・評判
評価スコア
期間平均視聴率22.6%を記録し、21世紀の朝ドラとしては屈指の高視聴率作品。「腹心の友」「曲げられないもの」といった名台詞も生まれ、SNSでも大きな反響を呼びました。
好評だったポイント
「吉高由里子と仲間由紀恵の友情に号泣」「『赤毛のアン』翻訳者の生涯を知れて感動」「鈴木亮平の村岡英治がカッコよかった」「白蓮事件の描き方が秀逸」「明治大正の風景が美しい」といった感想が多数寄せられ、朝ドラ史に残る人気作となりました。