作品紹介
『生きる』は2007年9月9日にテレビ朝日系で放送された『黒澤明ドラマスペシャル 生きる』。原作は黒澤明の名作映画『生きる』(1952年、脚本:黒澤明・橋本忍・小國英雄)の現代版リメイク。脚本は鈴木智、演出は星護、プロデュースは加藤正俊(テレビ朝日)。主演は松本幸四郎(九代目・現松本白鸚)、共演に深田恭子、北村一輝、藤本隆宏、市毛良枝、岸部一徳、本田博太郎、ハンドルブロウ、財前直見、福本清三、岡本麗、伊武雅刀など。黒澤映画史上に残る名作を、現代の癌告知問題と絡めながら、松本幸四郎の重厚な演技でリメイクした感動の社会派ドラマ。視聴率11.7%を記録し、黒澤明生誕97周年の記念作として制作されました。
主人公・渡辺勘治(松本幸四郎)は秦野市役所の市民課課長。自分の席で黙々と書類にハンコを押す日々を送っており、生きる目的や情熱は感じられず、ただ無為に日々を過ごしているだけのように見えます。妻に先立たれ、息子夫婦からも疎んじられた孤独な毎日。しかし、身体の不調を訴えて病院で精密検査を受けた結果、医師から「末期の膵臓ガン」を宣告され、余命わずかであることを知ります。
原作映画では胃癌でしたが、本作では末期膵臓ガンへと変更され、息子との回想シーンも現代のいじめ問題などを盛り込んだリメイク。死を意識した勘治は、若い部下・小田切とよ(深田恭子)の奔放な生き方に触発され、「死ぬ前に何かを残したい」と一念発起。市民の陳情を受け、ある公園の造成事業に命を懸けることになります。秦野市役所、水無川の人道橋、秦野赤十字病院、室川沿いの空地(公園造成予定地)、横浜市中区福富町(夜の街シーン)、ドルフィー(ジャズライブハウス)、JR相模線相武台下駅、小田急線秦野駅など、神奈川県を中心にロケが展開されました。
話題になったポイント
黒澤明の名作『生きる』を現代リメイク
黒澤明監督・志村喬主演の不朽の名作『生きる』(1952年)を、テレビ朝日が黒澤明生誕97周年を記念して現代版にリメイク。「人はなぜ生きるのか」という普遍的なテーマを、現代の癌告知・いじめ問題・市役所の縦割り行政などを絡めながら描き直しました。
松本幸四郎の重厚な渡辺勘治
歌舞伎の大名跡・松本幸四郎(現・松本白鸚)が、志村喬の名演で知られる渡辺勘治役に挑戦。歌舞伎で培った重厚な存在感と、繊細な内面描写が、原作映画への敬意とリメイクならではの新しさを両立させました。
深田恭子の若さあふれる「とよ」
深田恭子が、勘治を「生きる方向」へと導く若き部下・小田切とよを演じ、その奔放な生き方が物語の転換点に。原作映画で小田切とよを演じた小田切みきとはまた違う、現代的な「とよ」像を表現しました。
ロケ地ガイド
秦野市役所エリア
渡辺勘治の勤務先。
- 水無川の秦野市庁舎前人道橋:秦野市桜町1丁目、市役所前の橋。
- 秦野市役所:秦野市桜町1丁目、勘治の勤務先。
- 室川沿いの空地:秦野市尾尻、公園造成予定地。
- 秦野赤十字病院:秦野市立野台1丁目、勘治が癌告知される病院。
- 小田急小田原線の秦野駅:秦野市大秦町、秦野の玄関口。
- 茶帽子:秦野市尾尻、地元の喫茶店。
横浜・福富町エリア
夜の街シーン。
- 大岡川の都橋:横浜市中区福富町西通、夜の街の橋。
- 福富町西公園西側の交差点:横浜市中区福富町西通。
- 東通り:横浜市中区福富町東通、福富町の通り。
- 福富仲通り:横浜市中区福富町仲通。
- 西通駐車場:横浜市中区福富町西通。
- ドルフィー:横浜市中区宮川町2丁目、横浜の老舗ジャズライブハウス。
- ASSUR新山下店:横浜市中区新山下3丁目。
その他の神奈川シーン
相模原と川崎。
- JR相模線の相武台下駅:相模原市南区新戸。
- LA CITTADELLA:川崎市川崎区小川町、ラ チッタデッラ。
聖地巡礼のおすすめルート
秦野市役所ルート
秦野駅を起点に秦野市役所、水無川の人道橋、秦野赤十字病院、最後は室川沿いの空地(公園造成予定地)を巡る、渡辺勘治の最後の仕事の舞台を辿るコース。
横浜・福富町ジャズルート
大岡川の都橋から東通り、福富仲通りを散策後、ドルフィーでジャズライブを聴く、勘治が「生きる」と決意した夜の街コース。
川崎エンタメルート
LA CITTADELLA(ラ チッタデッラ)でショッピングを楽しむ、川崎散策コース。
視聴者の声・評判
評価スコア
視聴率11.7%。黒澤明生誕97周年の記念ドラマとして制作され、松本幸四郎の重厚な演技と現代版リメイクの完成度で高評価を獲得しました。
好評だったポイント
「松本幸四郎の演技が素晴らしい」「黒澤明の名作を現代版で再現」「深田恭子のとよ役が新鮮」「人はなぜ生きるのかという問いに泣ける」「公園を造ろうとする勘治の決意に感動」「ブランコのシーンが印象的」「現代の癌告知問題を描いた意義深いリメイク」――黒澤映画ファンと現代ドラマファン双方から支持を集めた感動作です。