作品紹介
『いつもふたりで』は、2003年1月6日から3月17日までフジテレビ系「月曜9時」枠(通称・月9)で全11話が放送された連続ドラマです。主演は松たか子と坂口憲二。脚本は『やまとなでしこ』などを手がけた相沢友子が担当し、夢を追いかけるヒロインと彼女に振り回される幼なじみのラブストーリーを、コミカルかつ温かく描きました。
有名小説家になるという夢を抱く谷町瑞穂(松たか子)は、新人文学賞を受賞し、意気揚々と北海道の故郷を飛び出して上京します。しかし現実は厳しく、支度金を騙し取られた瑞穂は無一文に。今さら故郷に帰れない彼女は、東京でテレビの構成作家として働く幼なじみ・森永健太(坂口憲二)のマンションに転がり込みます。わがままで天真爛漫な瑞穂と、クールで現実的な健太。正反対の二人の同居生活が始まり、やがてお互いの中に芽生えていく恋心に気づいていきます。
共演には葛山信吾、長谷川京子、平山綾(現・平山あや)、柏原崇、西村雅彦ら個性豊かなキャストが揃い、主題歌は光永亮太の「Always」。平均視聴率16.2%を記録し、2003年冬の月9ドラマとして高い人気を獲得しました。
話題になったポイント
松たか子の天真爛漫なヒロイン像
本作の最大の魅力は、松たか子が演じたヒロイン・瑞穂のキャラクターです。「夢は強く思えばいつか必ずかなう」と信じて疑わない楽天的な性格で、周囲を巻き込んでは騒動を起こす無鉄砲ぶり。しかしその裏には小説家になるという強い意志と、故郷を離れた孤独が隠されています。松たか子の持ち前のコメディセンスと演技力が存分に発揮され、「わがままだけど憎めない」という絶妙なバランスのヒロインが誕生しました。
坂口憲二の「振り回され系男子」としての魅力
瑞穂に振り回されっぱなしの健太を演じた坂口憲二もまた、本作で新たな魅力を見せました。クールな外見とは裏腹に、幼なじみの暴走を止められない不器用な優しさが視聴者の心を掴みました。当時の月9といえばスマートな恋愛が定番でしたが、「等身大の幼なじみ同士のじれったい関係」というリアルな設定が新鮮だと評価されました。
北海道の雄大な風景と東京の対比
物語の要所で登場する北海道の風景が、ドラマに叙情的な彩りを与えています。美瑛の丘や旧恵比島駅など、広大な大地の映像が瑞穂と健太の原点を象徴し、東京の喧騒との対比が二人の成長を際立たせました。特に北海道ロケのシーンは映像美も高く評価され、ロケ地巡りをするファンも多く生まれました。
ロケ地ガイド
北海道エリア ― 瑞穂と健太の故郷
二人が育った故郷として登場する北海道のロケ地は、ドラマの原点ともいえる重要なエリアです。広大な自然と素朴な街並みが、登場人物たちのルーツを物語ります。
- 美瑛の丘のセブンスターの木:北海道を代表する絶景スポットとして、故郷の象徴的なシーンで使用されました。広大な丘陵地帯に一本だけ立つカシワの木が、二人の思い出の風景として印象的に映し出されています。
- 旧JR留萌本線恵比島駅:NHK朝ドラ『すずらん』のロケ地としても知られるノスタルジックな駅舎が、故郷の駅として登場しました。
- ドライブイン「ピットイン」:北海道らしいロードサイドの店舗が、地元のシーンで使われました。
- 小西商店:田舎の商店として劇中に登場し、故郷の温かみを感じさせるロケ地です。
- 滝川市民ゴルフ場:北海道の広大な緑地が、開放的なシーンの舞台となりました。
恵比寿・代官山エリア ― 二人の東京生活の舞台
健太が暮らすマンション周辺として設定された恵比寿・代官山エリアは、ドラマの日常シーンが最も多く撮影された場所です。
- シェ・リュイ恵比寿店:恵比寿の人気ベーカリーで、瑞穂と健太の日常シーンに登場しました。
- 恵比寿ロビンズクラブ:恵比寿のバーとして劇中に使われ、登場人物たちが語り合うシーンの舞台となりました。
- 恵比寿公園:二人が散歩するシーンや、感情が動く重要な場面で使用された公園です。
- 東急東横線代官山駅:代官山のおしゃれな街並みとともに、通勤・移動シーンで登場しました。
丸の内・日本橋エリア ― 仕事と挑戦の舞台
瑞穂が小説家デビューを目指して奔走するビジネス街のロケ地です。
- JR東海道本線東京駅丸の内口:上京シーンをはじめ、物語の節目で象徴的に登場する東京の玄関口です。
- 東京国際フォーラム:巨大なガラスのアトリウムが印象的な建築で、都会的なシーンの背景として使われました。
- サンケイビル:出版社関連のシーンで使用されたオフィスビルです。
千葉・茨城エリア ― 物語を彩る郊外ロケーション
東京から少し離れた郊外エリアでも、重要なシーンが撮影されています。
- 伊予ヶ岳:千葉県南房総にそびえる山で、自然の中でのシーンが撮影されました。
- 平久里天神社:歴史ある神社での情感豊かなシーンが印象的です。
- 石岡市中町商店街:茨城県の古い商店街が、物語に懐かしい雰囲気をもたらしました。
聖地巡礼のおすすめルート
恵比寿・代官山おしゃれ散歩コース(半日)
JR恵比寿駅をスタートし、恵比寿公園を散策。シェ・リュイ恵比寿店でパンを購入して、恵比寿ロビンズクラブ方面へ。その後代官山駅周辺を歩けば、瑞穂と健太の東京での日常を追体験できます。周辺にはカフェやショップも多く、ドラマの余韻に浸りながら街歩きが楽しめます。
北海道・美瑛ノスタルジックコース(1日)
ドラマの原点である北海道を巡るコースです。美瑛の丘のセブンスターの木は、北海道を代表する絶景として必見。その後旧JR留萌本線恵比島駅でノスタルジックな駅舎を見学し、ドライブイン「ピットイン」で休憩。北海道の雄大な自然の中で、ドラマの世界観に浸る一日を過ごせます。夏は美瑛のラベンダー畑も楽しめ、ドラマのロケ地巡りと観光を同時に満喫できるおすすめコースです。
丸の内・日本橋カルチャーコース(3〜4時間)
東京駅丸の内口を起点に、瑞穂が上京した時の気持ちを追体験。東京国際フォーラムの壮大なガラスホールを見学した後、サンケイビル方面を散策。丸の内仲通りのおしゃれなカフェで一休みすれば、ドラマの都会的なシーンが蘇ります。
視聴者の声・評判
評価スコア
映画・ドラマレビューサイトFilmarksでは平均評価3.5点(5.0点満点)を記録。全話平均視聴率は16.2%で、初回は18.1%の高視聴率でスタートしました。2003年冬クールの月9ドラマとして、安定した人気を獲得した作品です。
好評だったポイント
視聴者から最も支持されているのが「松たか子と坂口憲二の掛け合いの面白さ」です。「松たか子のわがままキャラが絶妙で憎めない」「坂口憲二が振り回される姿がかわいい」という声が多く、二人のコメディタッチのやり取りがドラマの大きな魅力となっています。ストーリー面では「ただのラブストーリーではなく、夢を追いかける人を応援してくれるドラマ」という評価が多く、瑞穂が小説家の夢に向かって奮闘する姿に励まされたという感想が目立ちます。主題歌・光永亮太の「Always」も「ドラマの世界観にぴったり」と高く評価され、「この曲を聴くとドラマの名シーンが蘇る」というファンも多数。放送から20年以上が経った今も「月9の隠れた名作」として再評価の声が上がっている作品です。