作品紹介
『過保護のカホコ』は、2017年7月から9月まで日本テレビ系水曜ドラマ枠で放送された、高畑充希主演のオリジナルドラマです。脚本は『家政婦のミタ』『女王の教室』などで知られる遊川和彦。両親から溺愛され、超過保護な環境で育てられた大学生・根本加穂子(カホコ)が、画家志望の青年・麦野初との出会いをきっかけに、自分の足で歩き出すまでを描いた家族ヒューマンドラマです。
朝起きることも、着る服を選ぶことも母・泉(黒木瞳)の助けなしにはできない「奇跡の箱入り娘」カホコ。ある日、同じ大学に通う麦野初(竹内涼真)から「お前みたいな過保護がいるから日本が駄目になる」と手厳しい言葉を浴びせられ、生まれて初めて他人の棘に触れます。その強烈な出会いから恋が芽生え、カホコは母の支配から少しずつ自立していきますが、一方で彼女を手放すことのできない母・泉もまた、自分自身と向き合うことになります。
放送開始前は「高畑充希のあざとかわいい演技が見られる」と話題になり、初回視聴率11%超、最終回14%の高視聴率を記録。Filmarksでは平均★3.8点の高評価で、翌2018年には続編スペシャル『過保護のカホコ ラブ&ドリーム』も制作されました。竹内涼真のブレイク作のひとつとしても知られています。
話題になったポイント
「はじめ〜!」カホコ節と高畑充希の名演
両親の前では舌足らずに「ママぁ」「パパぁ」と甘え、恋をしてからは「はじめ〜!」と叫びながら駆け出す――高畑充希が演じるカホコのキャラクター造形は放送開始直後からSNSで大きな話題になりました。あざとすぎて嫌味になりそうな役を、誰からも愛される愛嬌に変えてしまう高畑充希の演技力が絶賛され、「一週間で一番の癒し」という声があふれました。
黒木瞳演じる「過保護ママ」泉のリアルさ
本作のもうひとりの主役とも言えるのが、黒木瞳演じる母・泉。娘を思う愛情と支配欲が表裏一体になったその姿に、「自分の母親を見ているようで怖い」「親になった今、泉の気持ちがわかってつらい」と、視聴者それぞれの立場から共感と批判の両方を集めました。遊川和彦脚本らしい、笑いと毒とやさしさが同居する家族描写が高く評価されています。
竹内涼真ブレイクのきっかけとなった「麦野初」
『陸王』『下町ロケット』と並び、若手俳優・竹内涼真の名を一気に広めたのがこの麦野初役。ぶっきらぼうで不器用、けれどカホコの変化を誰よりも願う画家志望の青年という役どころは、放送後「はじめロス」「竹内ロス」という言葉を生むほどの人気となり、2018年のスペシャル版でも続投となりました。
ロケ地ガイド
埼玉・飯能〜川口エリア(カホコと初の大学生活)
カホコと初が通う「昭栄大学」のキャンパスシーンは、埼玉県飯能市の大学と、その周辺の街並みで撮影されました。学生時代のほろ苦く瑞々しいシーンが生まれた場所です。
- 駿河台大学:カホコと初が通う大学の外観・構内・ゼミナール棟が撮影に使われました。初が絵を描く「アトリエ棟」も同大学内のロケです。
- JR東北本線川口駅:カホコが初と待ち合わせたり、通学で利用する駅として登場。改札前のやり取りなど印象的なシーンが多く撮られました。
- 笹目川の谷口上橋:川沿いを歩く日常シーンのロケ地。夕暮れ時の穏やかな空気感が作品のトーンにぴたりと合っています。
- におどり公園橋:二人が会話を交わしながら渡る橋として登場。
- 彦郷小学校:カホコが将来を考えるきっかけとなる教育関連のシーンで使われました。
東京エリア(家族の日常と成長の舞台)
根本家のある街から、カホコが少しずつ世界を広げていく東京各所。実在の商業施設や神社が、作品のリアリティを支えています。
- 多摩川浅間神社:第2話でカホコが麦野初と語り合う印象的なシーンの舞台。高台から多摩川と富士山を望める展望が、二人の会話に爽やかな広がりを与えています。
- SUNAMO:カホコが買い物や待ち合わせで訪れる商業施設として登場。江東区の生活圏を映し出すシーンです。
- ガスト府中中河原店:若い世代の日常を象徴するファミレスシーン。カホコたちが悩みを打ち明け合う場所として使われました。
- 辰巳の森緑道公園:ランニングや散歩のシーンで登場。都心にありながら緑豊かな散策路が作品に落ち着いた空気を添えます。
- 都立桜ヶ丘公園「ゆうひの丘」:夕日の名所として知られる展望スポット。カホコが自分の気持ちを見つめ直す時間が流れる場所として印象的に使われました。
- 狛江市役所:公的手続きや相談に訪れる場面で登場。物語終盤の「大人になっていく」カホコを象徴するシーンの舞台です。
- クロサワバイオリン御茶の水店:楽器や音楽にまつわるシーンで使われた、御茶ノ水の老舗専門店です。
神奈川・横浜エリア(恋と家族の節目)
本作のロマンチックな場面、そしてクライマックスの結婚式シーンを彩るのが神奈川のロケ地です。港町ならではの開放感が作品に深い余韻を残します。
- 山下公園:竹内涼真演じる初と他の女性との待ち合わせシーンなどで登場。海を望むベンチやバラ花壇が港町らしい空気を演出します。
- 開港広場:横浜らしい石畳の広場でのデートシーン。近隣の山下公園・赤レンガ倉庫とあわせて歩ける立地です。
- フィリアホール:青葉台にあるクラシック系ホール。音楽にまつわる印象的なシーンで使用されました。
- ノートルダム横浜みなとみらい:物語のハイライトとなる結婚式の舞台として登場。みなとみらいを望むチャペルの景観が最終盤を華やかに締めくくります。
- カトリック大磯教会:大磯の高台に建つ歴史ある教会。物語の節目を飾るシーンのひとつとして登場します。
- 相鉄いずみ野線緑園都市駅:洗練された街並みで知られる駅。日常のアクセスシーンで使われました。
- 引地川の竜宮橋:藤沢エリアの橋。水辺を歩くシーンのロケ地として落ち着いた印象を添えています。
千葉エリア(広がる世界)
カホコの世界が家族の外へと広がっていく後半で、海辺や郊外の風景として使われたのが千葉のロケ地です。
- 富津漁港:東京湾を望む漁港。カホコが「これまで見たことのない景色」と出会う象徴的な場面で使われました。
- スウィングスタジアム千葉みなと:千葉港近くのスポーツ施設。日常と非日常の境目を映す場面で登場します。
聖地巡礼のおすすめルート
「カホコと初の横浜デート」半日コース
みなとみらい線・元町中華街駅から開港広場を抜け、海沿いに山下公園へ。バラのベンチで初のセリフを思い出したあとは、みなとみらい地区まで徒歩で移動し、ノートルダム横浜みなとみらいを外から眺めて結婚式シーンを追体験。全体で3〜4時間ほど、海と港の景色がずっと続くロマンチックな王道ルートです。
「カホコの大学生活」埼玉日帰りコース
池袋から西武池袋線で飯能駅へ向かい、駿河台大学のキャンパス周辺を散策。カホコと初が歩いた並木道や、初が絵を描いていたアトリエ棟の外観を眺めたあと、武蔵野線方面へ移動してJR東北本線川口駅、笹目川の谷口上橋、におどり公園橋と川沿いを歩くコース。約5〜6時間、学生時代の空気をそのまま味わえるプランです。
「カホコと向き合う東京の聖地」夕方コース
東急多摩川線・多摩川駅から多摩川浅間神社へ登り、展望から多摩川と富士山を眺めて第2話の会話を追体験。その後、京王線で移動し都立桜ヶ丘公園「ゆうひの丘」で夕日を待つ、というエモーショナルな半日ルートです。夕暮れ時に合わせて訪れると作品の空気感にぐっと近づけます。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは平均★3.8点・レビュー2万8千件超と、2017年夏クールの恋愛ドラマの中でも高い評価を得ています。初回視聴率11%、最終回14%と右肩上がりに伸びたのも特徴で、Yahoo!テレビやみんなのランキングなど各サイトでも「もう一度見たい2017年ドラマ」の上位に選ばれる、息の長い人気を持つ一作です。
好評だったポイント
視聴者から特に支持されたのは、「高畑充希のカホコが可愛すぎて憎めない」「竹内涼真のぶっきらぼうさとやさしさのバランスが絶妙」といった主演二人への評価。加えて、黒木瞳・時任三郎・平田満・ミッキー・カーチス・梅沢富美男といったベテラン俳優が固めるホームドラマとしての骨太さも高く評価されました。最終回の「母と娘のハグ」は号泣シーンとして語り継がれており、放送終了後には「カホコロス」「ハジメロス」という言葉がSNSを席巻。遊川和彦脚本らしい毒とユーモア、そして家族への眼差しが「繰り返し観たくなる温かさ」として支持されています。