作品紹介
『鴨、京都へ行く。-老舗旅館の女将日記-』は、2013年4月から6月にかけてフジテレビ系「火曜よる9時」枠で放送された連続ドラマです。主演は松下奈緒。東大卒の財務省キャリア官僚という"超"がつくエリート女子・上羽鴨(かもめ)が、京都の名旅館『上羽や』の女将だった母の急逝により、借金まみれの旅館を継ぐことになるところから物語は始まります。
右も左もわからない女将業にてんてこまいの鴨の前に現れたのは、計算高くて頭のキレる外資系コンサルタント・衣川周平(椎名桔平)。いがみ合い、騙し合いながらも、この凸凹バディが旅館再建に挑みます。老舗旅館を取り巻く従業員たちの思い、京都の伝統文化との出会い、そして毎話登場する京料理の美しさ――エリートOLが京都の「おもてなし」の世界に飛び込むことで成長していく姿を、コメディタッチで描いた全11話の物語です。
オール京都ロケを敢行し、実在の老舗旅館「晴鴨楼」を撮影協力に迎えた本格的な映像美が話題となりました。辻調理師専門学校が料理監修を務め、劇中に登場する京料理の数々も視聴者の目と舌を楽しませました。主題歌は椎名林檎の「いろはにほへと」。
話題になったポイント
オール京都ロケによる圧巻の映像美
本作最大の特徴は、全編にわたって京都で撮影が行われたことです。祇園の花街、嵐山の古刹、鴨川の風景など、四季折々の京都の美しさがドラマの世界観を豊かに彩りました。旅館のセットも京都の老舗旅館「晴鴨楼」の協力のもと本格的に作り込まれ、視聴者からは「毎週京都旅行をしている気分」「映像が美しすぎる」と絶賛の声が寄せられました。京都観光のガイドブック代わりにもなるほど、京都の名所が余すところなく登場する贅沢なドラマです。
松下奈緒×椎名桔平の凸凹バディ
真面目で不器用なエリート女子・鴨を演じた松下奈緒と、飄々として食えない金融マン・衣川を演じた椎名桔平の掛け合いが絶妙でした。正反対の二人が反発しながらも次第に信頼を深めていく過程は、恋愛要素を控えめにしつつも心温まるものがあり、「二人の掛け合いが面白い」「椎名桔平の胡散臭さが最高」と好評を博しました。また、若村麻由美やかたせ梨乃など京都の女将・芸妓を演じるベテラン女優陣の着物姿も見どころの一つでした。
毎話登場する京料理と豪華ゲスト
辻調理師専門学校が監修した京料理が毎話登場し、料理ドラマとしても高い完成度を誇りました。季節の食材を活かした懐石料理の美しさは「見ているだけでお腹が空く」と視聴者を魅了。さらに、毎回異なる豪華ゲストが旅館の宿泊客として登場する一話完結型のストーリー構成も好評で、気軽に楽しめるドラマとして幅広い年代から支持を集めました。椎名林檎が手がけたオープニングテーマ「いろはにほへと」の和テイストな楽曲も、作品の雰囲気にぴったりとハマりました。
ロケ地ガイド
祇園・東山エリア ― 京都の風情を凝縮した舞台
ドラマの中心舞台となった祇園・東山エリアには、京都らしい風情あるロケ地が集中しています。花街の雰囲気と歴史ある寺社が織りなす美しい景観が、ドラマの世界観を支えました。
- 晴鴨楼:主人公・鴨が女将を務める老舗旅館『上羽や』のモデルとなった実在の旅館。天保年間創業の歴史を持つ政府登録国際観光旅館で、ドラマの撮影協力も務めました。
- 八坂神社:祇園のシンボルとして劇中に何度も登場。鴨が京都の伝統行事に触れるシーンなどで印象的に使われました。
- 白川の辰巳橋:祇園白川に架かる風情ある橋。柳の木と石畳が美しく、ドラマの象徴的な風景として繰り返し登場しました。
- 東大路から法観寺(八坂の塔)へ向かう通り:八坂の塔を望む坂道は京都を代表する景観で、ドラマの印象的なシーンに使われました。
- 高台寺:豊臣秀吉の正室・ねねゆかりの名刹。美しい庭園を背景にしたシーンで登場しました。
- 祗をん八咫:祇園にある料理店で、劇中の食事シーンに使用されました。
- 白川:祇園を流れる白川沿いの風景が、ドラマに京都らしい情緒を添えました。
- 白川南通:白川沿いの風情ある通りとして散策シーンで登場しました。
嵐山・嵯峨野エリア ― 洛西の自然と古刹
京都の西に広がる嵐山・嵯峨野エリアも、重要なロケ地が点在しています。自然豊かな環境の中に佇む寺院が、物語に深みを与えました。
- 清涼寺:嵯峨釈迦堂の名で親しまれる古刹。静謐な境内がドラマの印象的なシーンの舞台となりました。
- 鹿王院:足利義満が創建した臨済宗の寺院。紅葉の名所としても知られる参道がドラマに登場しました。
- 等持院:足利家の菩提寺で、美しい庭園が有名。静かな境内での撮影シーンが印象的でした。
上七軒・北野エリア ― 花街と学問の町
京都最古の花街・上七軒を中心としたエリアも、ドラマの重要な舞台となりました。
- まつひろ上七軒店:上七軒の花街にある店として劇中に登場しました。
- 上七軒歌舞練場:京都最古の花街・上七軒の歌舞練場。芸舞妓の文化が色濃く残る場所として印象的に描かれました。
- 平野神社:桜の名所として知られる神社。春のシーンで美しく登場しました。
- 千本釈迦堂(大報恩寺):京都の歴史ある寺院として劇中に登場しました。
岡崎・南禅寺エリア ― 文化と歴史の薫り
平安神宮を中心とした岡崎エリアと、その周辺の名刹が並ぶ一帯も、ドラマの舞台として選ばれています。
- 平安神宮:明治時代に創建された壮大な神社。朱色の大鳥居が印象的なシーンに使われました。
- 平安神宮大鳥居:岡崎エリアのランドマーク。鴨が京都の街を歩くシーンで象徴的に登場しました。
- 南禅寺境内の琵琶湖疎水:南禅寺の境内を流れる琵琶湖疎水。レンガ造りの水路閣が印象的な撮影スポットです。
- 白河院:岡崎エリアにある庭園が美しい施設として登場しました。
- 知恩院:浄土宗の総本山。壮大な三門と境内がドラマに登場しました。
- 青蓮院門跡:天台宗の門跡寺院で、格式高い雰囲気が劇中のシーンを引き立てました。
- 金地院:南禅寺の塔頭で、小堀遠州作の庭園で知られる名刹です。
鴨川・市内中心部エリア ― ドラマのタイトルを象徴する場所
主人公の名前「鴨」の由来ともリンクする鴨川周辺と、京都の中心部も重要なロケ地です。
- 鴨川の三条大橋:鴨川に架かる歴史ある橋で、ドラマのタイトルにもつながる象徴的なロケ地として繰り返し登場しました。
- 鴨川の河原:鴨川沿いの河原で語り合うシーンなど、京都の日常を感じさせる場面で使用されました。
- 鴨川公園:鴨川沿いに広がる公園。散歩やジョギングのシーンで登場しました。
- 京都三条会商店街:京都の庶民的な商店街として、鴨の日常の買い物シーンなどで使用されました。
- JR東海道本線京都駅:鴨が東京と京都を行き来するシーンで登場。京都の玄関口として物語の転換点に使われました。
舞鶴・丹後エリア ― 京都の海
京都府北部の舞鶴・丹後エリアでも撮影が行われ、普段は描かれない京都の海の風景がドラマに新鮮な彩りを添えました。
- 五老ヶ岳:舞鶴湾を一望できる絶景スポット。「近畿百景」第1位に選ばれた眺望がドラマに壮大なスケール感をもたらしました。
- 成生漁港:京都府舞鶴市の小さな漁港。京都の海の幸にまつわるエピソードで使用されました。
- 竜宮浜:舞鶴の美しい浜辺で、海にまつわるシーンが撮影されました。
- 北吸トンネル:舞鶴の歴史的な赤レンガ倉庫群近くのトンネル。独特の雰囲気がドラマのシーンに活かされました。
聖地巡礼のおすすめルート
祇園・東山 老舗旅館の世界を堪能コース(半日)
ドラマの中心舞台を巡るメインコースです。京阪祇園四条駅からスタートし、まず白川の辰巳橋で祇園白川の風情を楽しんだ後、八坂神社を参拝。東大路から八坂の塔へ向かう通りを散策し、高台寺で庭園を鑑賞。最後に晴鴨楼の外観を眺めて、ドラマの旅館の雰囲気に浸りましょう。時間があれば知恩院まで足を延ばすのもおすすめです。
岡崎・南禅寺 京都文化満喫コース(半日)
平安神宮大鳥居をくぐって平安神宮を参拝した後、青蓮院門跡を経て南禅寺の琵琶湖疎水へ。レンガ造りの水路閣は写真映え抜群です。金地院の庭園も見学した後は、岡崎エリアのカフェで一息つくのが良いでしょう。
鴨川散策&嵐山コース(1日)
午前中は鴨川の三条大橋から鴨川の河原を散策し、京都三条会商店街で地元グルメを堪能。午後は嵐山方面へ移動し、清涼寺、鹿王院を巡る充実の1日コースです。鴨川沿いのカフェで休憩しながら、ドラマの世界観に浸りましょう。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは平均3.3点(5.0点満点)、約160件のレビューが寄せられています。平均視聴率は10%前後で、深夜ドラマ的な穏やかな雰囲気が好まれた作品です。派手なヒット作ではありませんが、京都好き・旅行好きの視聴者を中心に根強いファンを獲得しています。
好評だったポイント
最も多く聞かれるのが「京都の映像が美しい」という声です。「毎週京都の風景を楽しめるのが嬉しい」「旅行気分で見られる」「京都に行きたくなるドラマ」など、オール京都ロケの魅力を評価するコメントが多数を占めています。松下奈緒の真面目で一生懸命なヒロイン像にも好感が集まり、「応援したくなる」「松下奈緒が着物姿で美しい」という声も。椎名桔平との掛け合いについては「テンポが良い」「二人のやり取りが面白い」と評され、毎話登場するゲストと一話完結のエピソードが「気軽に見られて楽しい」と好評でした。一方で「もう少し恋愛要素があっても良かった」「ストーリーが淡白」という意見もありますが、全体としては京都の魅力を存分に味わえる上質なドラマとして愛されている作品です。