作品紹介
『家族狩り』は、天童荒太の山本周五郎賞受賞作を原作として、2014年7月から9月までTBS系「金曜ドラマ」枠で放送された全10話の社会派サスペンスドラマです。主演は松雪泰子、共演に伊藤淳史、貫地谷しほり、吉田栄作、遠藤憲一など実力派俳優が集結し、現代日本の家族が抱える闇に真正面から切り込みました。
物語は東京都内で相次ぐ凄惨な一家心中事件を軸に進行します。児童心理司の氷崎游子(松雪泰子)は、事件の背後にある児童虐待やDV、家族崩壊の実態に迫っていきますが、逆に彼女自身が殺人事件の容疑者として刑事に追われる立場になってしまいます。同僚の教師・巣藤浚介(伊藤淳史)もまた、学校現場で虐待の兆候を見つけながら苦しみ、やがて游子とともに事件の真相を追うことになります。
児童虐待、DV、子育ての孤立といった重いテーマを容赦なく描きながらも、登場人物それぞれの人間ドラマを丁寧に掘り下げた重厚な一作です。
話題になったポイント
松雪泰子の鬼気迫る演技
主演の松雪泰子は児童心理司として苦悩する女性を熱演し、第82回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で主演女優賞総合3位に入賞。鬼気迫る演技が高く評価されました。
伊藤淳史の転身
『チーズスイートホーム』などで親しみやすい印象だった伊藤淳史が、シリアスな教師役で新境地を開拓。最優秀助演男優賞に選ばれるなど、演技派としての評価を確立した代表作となりました。
社会問題への切り込み
児童虐待やDVという重いテーマを娯楽作品として真正面から扱い、視聴者に家族のあり方を問いかけた姿勢が高く評価されました。低視聴率ながら熱烈な好評価を獲得した異色作として語り継がれています。
ロケ地ガイド
東京西部・多摩エリア
主人公たちが働く学校や役所、日常を過ごす街は、東京西部の多摩地区を中心に撮影されました。
- 八王子高等学校:巣藤が教師として勤務する学校のロケ地として登場し、教室や校舎の多くのシーンが撮影されました。
- 府中市役所:児童相談所や行政機関のシーンで使われた、物語の重要拠点のひとつです。
- JR中央線高円寺駅:登場人物の通勤や街歩きのシーンで使われた、東京西部を象徴する駅です。
東京都心エリア
刑事たちの捜査や、主人公たちの内面を映す重要シーンには都心のロケ地が選ばれています。
- BELSEEDS CAFE:登場人物たちが密談や打ち合わせを行うカフェシーンで使われました。
- 池袋西口公園:人混みの中で繰り広げられる緊迫した追跡シーンや待ち合わせの舞台となりました。
- としまえん:現在は閉園した老舗遊園地で、家族の思い出を象徴するシーンに使われた貴重な映像です。
- けやき広場:さいたまスーパーアリーナ隣接の広場で、待ち合わせや対話シーンに登場します。
神奈川・静岡・千葉の郊外エリア
事件の舞台や登場人物が心を落ち着ける場所として、東京を離れた自然豊かなロケ地も使われました。
- 芦ノ湖:箱根の名所で、登場人物が逃避行や内省のために訪れる幻想的なシーンの舞台です。
- 御殿場美華ガーデン:富士山を望む結婚式場で、過去の幸せな記憶を象徴するシーンに登場します。
- 魚見塚展望台:千葉県鴨川市の絶景スポットで、クライマックスの重要シーンに使われた印象的なロケ地です。
聖地巡礼のおすすめルート
多摩・東京西部ルート
八王子高等学校から府中市役所、高円寺駅を巡る、主人公たちの日常を追体験できるルート。電車でのアクセスも良く、一日で無理なく回れます。
都心サスペンスルート
池袋西口公園からBELSEEDS CAFE、けやき広場へと続く都会派コース。緊張感あふれる捜査シーンを思い出しながら歩けます。
箱根・御殿場逃避行ルート
芦ノ湖から御殿場美華ガーデンへ、さらに千葉の魚見塚展望台まで足を延ばす絶景ルート。物語のクライマックスと向き合う、特別な聖地巡礼となるでしょう。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでの平均評価は3.8点と高く、視聴率は振るわなかったもののネット上では熱烈なファンが多い「隠れた名作」として評価されています。コラムニストの木村隆志氏もネット上の好評価が際立つ作品として取り上げました。
好評だったポイント
「映像美と音楽が秀逸」「松雪泰子と伊藤淳史の演技が鬼気迫る」「家族問題を深く考えさせられた」といった声が多く寄せられました。扱うテーマの重さゆえに視聴には覚悟が必要ですが、見た者の心に深く刻まれるドラマとして今も語り継がれています。