作品紹介
『キングダム2 遥かなる大地へ』は2022年7月15日公開の実写映画シリーズ第2弾。原泰久の原作コミック第5巻から第10巻にあたる「蛇甘平原の戦い」を軸に、信が一兵卒から隊長へと駆け上がる過程を描く。監督は前作に続き佐藤信介。
王都・咸陽の奪還に貢献した信(山崎賢人)は、平民の身から歩兵として軍に入り、初陣を迎える。魏国が秦へ大軍を差し向け、両軍は蛇甘平原で激突。信は寄せ集めの伍を率いる伍長となり、やがて「飛信隊」と呼ばれる部隊の核となっていく。戦場で出会った謎めいた少女剣士・羌瘣(清野菜名)は、圧倒的な剣技で信たちを助けながらも、自らの目的を語ろうとしない。
新型コロナウイルスの影響で中国ロケが不可能となったため、本作から第4作までは全編を日本国内で撮影。長野県東御市に高さ約12m×長さ約200mという日本最大級のグリーンバックを設営し、大平原での合戦を国内で成立させた。制約を逆手に取った技術的挑戦が、シリーズのスケール感を維持する原動力となっている。
話題になったポイント
清野菜名の羌瘣が魅せる「舞うような殺陣」
蚩尤の里で育った暗殺者・羌瘣を演じた清野菜名は、アクション女優としての本領を発揮。剣舞のように敵を切り伏せる独特の殺陣は、ワイヤーやCGに頼りきらない生身の身体表現として絶賛された。原作ファンからの再現度評価も極めて高い。
日本最大級グリーンバックによる合戦シーン
数万の兵がぶつかり合う蛇甘平原の戦いは、長野県東御市に建てられた巨大グリーンバックの前で撮影された。実際のエキストラとVFXを組み合わせることで、日本映画としては前例のない規模の会戦が実現。コロナ禍という制約下で生まれた技術的成果として、業界内でも注目を集めた。
吉川晃司の麃公将軍
「本能型」の将軍・麃公を演じた吉川晃司の圧倒的な武人ぶりも話題に。戦場の匂いを嗅ぎ分ける野性的な指揮官像は、大沢たかおの王騎とは異なるタイプの大将軍像として観客の記憶に残った。
ロケ地ガイド
長野エリア
本作の合戦シーンを支えたのが長野県。八ヶ岳山麓の森林と、東御市の広大な台地という対照的なロケーションが、戦場の多彩な表情をつくり出している。
- 富士見高原リゾート 西学林:長野県と山梨県の県境に近い富士見町の山林で、羌瘣が仲間のために奮戦するシーンが撮影された。木々が密集した狭い空間での戦いは、平原の会戦とは対照的な息詰まる緊張感を生んでいる。
- 東御市鞍掛:企業所有地に日本最大級のグリーンバックを設営し、蛇甘平原の大会戦を撮影した場所。標高の高い開けた台地は、実景と合成を違和感なくつなぐ理想的な条件を備えていた。
福島・栃木エリア
岩場と竹林。地形そのものが戦場の性格を決める、シリーズらしい選定が光る。
- 宇宙岩(いわき市三和町):2020年8月に合戦シーンが撮影された岩場。名前の通り異様な存在感を放つ巨岩群が、異国の戦場という設定を説得力をもって支えている。
- 若竹の杜 若山農場:第1作から引き続き使われた宇都宮の巨大竹林。孟宗竹が林立する空間は、シリーズを通じて「キングダムの竹林」として定着した。
聖地巡礼のおすすめルート
信州キングダム合戦ルート(1泊2日)
初日は諏訪ICから富士見高原リゾートへ。西学林周辺の森を歩いたあと、八ヶ岳の眺望を楽しむ。翌日は東御市へ移動し、鞍掛の台地から浅間山を望む。周辺はワイナリーが点在するエリアでもあり、巡礼とあわせて信州の食も堪能できる。
北関東・浜通り 岩と竹ルート
宇都宮の若山農場で竹林を歩いたのち、常磐道でいわき市三和町へ。宇宙岩の異様な岩景観を訪ねる。どちらも合戦シーンの「地面の質感」を体感できる場所で、劇中の土埃まで思い出せる。
視聴者の声・評判
評価
Filmarks平均評価は3.9前後。前作を上回る評価を得た続編として支持され、興行収入は51.6億円を記録した。
好評だったポイント
「合戦の規模が邦画の限界を超えている」「清野菜名の羌瘣が想像以上」「吉川晃司の麃公将軍が最高」といった声が目立つ。特に集団戦の演出とキャラクターの立ち方について、原作ファンからの評価が高い。
賛否の分かれた点
「原作の名場面をなぞる構成で意外性は少なめ」「羌瘣の過去編がやや駆け足」といった指摘もあるが、シリーズを続けて観る前提であれば気にならないという意見が大勢を占めている。