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映画

キングダム 運命の炎

放送局
東宝/ソニー・ピクチャーズ(配給)
放送期間
20237月

秦国と趙国の総力戦「馬陽の戦い」が始まる。飛信隊を率いる信(山崎賢人)は、六大将軍・王騎(大沢たかお)のもとで趙軍の猛将たちに挑む。同じ頃、少年時代の嬴政と、その命を救った女商人・紫夏(杏)の過去が明かされる。シリーズ第3弾。監督は佐藤信介。

作品紹介

『キングダム 運命の炎』は2023年7月28日公開のシリーズ第3弾。原作コミックの「馬陽の戦い」前半と、秦王・嬴政の少年時代を描く「紫夏編」という2本の柱で構成された、シリーズ中でもとりわけ情感の濃い一作である。監督は佐藤信介。

趙国が秦へ大軍を差し向け、秦国六大将軍・王騎(大沢たかお)が総大将として出陣。信(山崎賢人)率いる飛信隊は、趙の名将たちが待ち構える馬陽の地へと向かう。戦場では龐煖(吉川晃司)という得体の知れない武の化身が姿を現し、王騎との因縁が浮かび上がっていく。

並行して描かれるのが、趙で人質として過酷な少年時代を送った嬴政(吉沢亮)と、彼を秦へ逃がすため命を賭した女商人・紫夏(杏)の物語。杏が演じる紫夏の圧倒的な存在感は、アクション大作である本シリーズに深い情感の層を加え、多くの観客の涙を誘った。

話題になったポイント

杏演じる紫夏の「言葉」

本作最大の話題は、杏が演じた女商人・紫夏。人質として心を閉ざした少年・政に対し、生きる意味と王としての覚悟を授ける存在として描かれる。原作でも屈指の名場面とされる紫夏編を、杏は静かな説得力で演じきり、「アクション映画に来たのに号泣した」という感想が続出した。

王騎と龐煖、宿命の再会

大沢たかおの王騎と、吉川晃司が演じる武神・龐煖。前作で麃公を演じた吉川が本作では敵役の龐煖として登場するという配役の妙も含め、二人の対峙シーンは緊迫感に満ちている。物語が次作のクライマックスへ向かって加速していく。

兵庫の採石場跡が生んだ異世界の戦場

神戸市北区の白水峡と赤穂市の福浦採石場跡という、二つの荒涼とした岩の景観が本作の戦場を支えた。植生の少ない白い岩肌は日本らしさを消し去り、大陸の戦場という設定を違和感なく成立させている。

ロケ地ガイド

兵庫エリア

本作の「顔」となったのが兵庫県の岩の景観。有馬温泉のすぐ近くと、瀬戸内海に面した採石場跡という、アクセスの良い2か所が主戦場となった。

  • 白水峡:有馬温泉から阪急バスで約7分という近さにありながら、草木の乏しい白い岩壁が連なる異様な景観を持つ峡谷。佐藤信介監督が「キングダムの世界観に完璧にマッチする」と絶賛したとされ、馬陽の戦いを象徴する戦場として使われた。
  • 福浦採石場跡:幅約90m、奥行き約100m、深さ約20mという巨大な採石場跡。信が趙の将軍・馮忌を討ち取るクライマックスが撮影された。切り立った岩肌に囲まれた閉塞感が、一騎打ちの緊張を高めている。
  • 西宮市山口町船坂:白水峡にほど近い山あいの集落で、物語序盤のシーンが撮影された。里山の風景が、戦場に出る前の日常を静かに映し出している。

長野エリア

大規模会戦のベースと、紫夏編の逃避行。性格の異なる2つの場面がともに信州で撮影された。

  • 東御市鞍掛:高さ約12m、長さ約200mという日本最大級のグリーンバックが設営され、馬陽の戦いの大規模戦闘が撮影された。前作から引き続き使用された、シリーズの心臓部ともいえる場所。
  • 富士見町:八ヶ岳と南アルプスに挟まれた高原の町。嬴政と紫夏が追手から逃れる「紫夏編」の重要な場面が、この地の自然を背景に撮影された。

栃木・福島エリア

関東・東北にも本作の戦場は広がる。いずれも岩の存在感が印象的なロケーションだ。

  • 岩船山 採石場跡:秦・趙両軍の本陣が置かれた場所として、多数のエキストラを動員して撮影された。垂直に削られた岩壁は特撮・映画の定番ロケ地として知られる。
  • いわき市三和町:決戦を前にした信、羌瘣、壁の会話シーンなどが撮影された。緊迫の合間に挟まれる静かな時間が、この地の風景とともに刻まれている。

聖地巡礼のおすすめルート

有馬温泉+白水峡 日帰りルート

神戸三宮から有馬温泉へ。温泉街を散策したあと、阪急バスで約7分の白水峡墓園前へ向かい、劇中さながらの荒涼とした岩壁を眺める。帰りに金の湯・銀の湯で汗を流せば、巡礼と湯治を1日で満喫できる。

播州・赤穂 瀬戸内ルート

赤穂御崎の景勝地とあわせて福浦採石場跡周辺を訪ねるコース。瀬戸内海の穏やかな海と、映画で見た荒々しい岩肌のギャップが強く印象に残る。赤穂の塩や牡蠣といった名物も楽しみたい。

視聴者の声・評判

評価

Filmarks平均評価は3.9〜4.0とシリーズ最高水準。興行収入は約36億円。アクション大作でありながら人間ドラマの評価が突出して高いのが本作の特徴である。

好評だったポイント

「杏の紫夏で完全に泣かされた」「シリーズで一番心に残る回」「王騎と龐煖の対峙に鳥肌」といった声が圧倒的多数。特に紫夏編は、原作を知らない観客からも高く評価されている。

賛否の分かれた点

「戦とドラマの2本立てで焦点がやや散る」「馬陽の戦いが決着せず次作待ちになる」という構成面の指摘はあるものの、それも含めて次作『大将軍の帰還』への期待を高める作りだったと受け止められている。

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