作品紹介
『麒麟がくる』は、2020年1月19日から2021年2月7日まで放送されたNHK大河ドラマ第59作です。脚本は池端俊策によるオリジナルストーリーで、「本能寺の変」で知られる明智光秀の生涯を、英雄として新たな視点から描いた意欲作です。主演の長谷川博己が明智十兵衛光秀を、本木雅弘が斎藤道三を、染谷将太が織田信長を演じ、豪華キャストが戦国時代を彩りました。
天文16年(1547年)、美濃国の明智荘に暮らす明智光秀は、鉄砲という新しい武器に興味を持ち、主君・斎藤利政(道三)の許しを得て堺や京へと旅に出ます。その旅の中で、名医・望月東庵や少女・駒と出会い、「戦のない穏やかな世に現れる聖獣・麒麟」の伝説を知ります。やがて光秀は、麒麟を呼べる人物を探し求めながら、道三、信長、足利義昭など時代の覇者たちと関わり、激動の戦国時代を駆け抜けていきます。
COVID-19の影響により約2ヶ月半の放送休止を経ながらも、全44回にわたって放送され、最終回では本能寺の変の真相に独自の解釈を加えたクライマックスが大きな話題を呼びました。
話題になったポイント
明智光秀を英雄として描いた新しい歴史観
「逆臣」「裏切り者」というマイナスイメージが定着していた明智光秀を、麒麟を呼ぶ理想の世を求めて戦い続けた英雄として描いた点が最大の見どころです。長谷川博己の知性と情熱を兼ね備えた演技により、「大河ドラマの主人公らしく応援したくなるカッコいい光秀」が誕生し、歴史ファンの間で光秀の再評価が進みました。
本木雅弘の斎藤道三が圧巻
本木雅弘が演じた斎藤道三(利政)は、狡猾でありながらも先見の明を持つ魅力的な人物として描かれ、視聴者から絶大な支持を得ました。道三が退場した後も「道三ロス」という言葉が生まれるほどの存在感で、大河ドラマ史に残る名演として語り継がれています。
色彩豊かな映像美と音楽
従来の大河ドラマのイメージを覆す鮮やかな色彩の衣装や、4Kカメラで撮影された美しい映像が話題に。オープニングの映像と劇伴音楽は「大河ドラマ史上最高レベル」と絶賛され、戦国時代の壮大さと繊細さを同時に表現した映像世界が視聴者を魅了しました。
ロケ地ガイド
岐阜県エリア ― 光秀生誕の地
明智光秀の故郷である美濃国(現・岐阜県)には、光秀ゆかりの地が数多く残されています。ドラマの前半で描かれた光秀の青年時代の舞台です。
- 明智城址(長山):明智光秀が生まれ育ったとされる城跡。ドラマの冒頭で描かれた光秀の原点であり、可児市にある城址からは美濃の山々を一望できます。光秀の生きた時代に思いを馳せることができる聖地巡礼の出発点です。
- 岐阜城:斎藤道三、そして後に織田信長が居城とした稲葉山城(現・岐阜城)。金華山の山頂にそびえる天守閣からは、濃尾平野を一望する絶景が広がります。ドラマでも道三の居城として重要なシーンが数多く撮影されました。
愛知県エリア ― 信長の拠点
織田信長の本拠地である尾張国(現・愛知県)のゆかりの地です。光秀が信長と出会い、歴史が大きく動き始める舞台となりました。
- 熱田神宮:織田信長が桶狭間の戦いの前に戦勝祈願したとされる由緒ある神社。ドラマでも信長の運命を左右する重要なシーンで登場しました。三種の神器の一つ・草薙神剣を祀る格式高い神社です。
- 名古屋城:尾張の象徴である名古屋城。金のシャチホコで有名な天守閣は、信長の時代の尾張の力強さを今に伝えています。
福井県エリア ― 朝倉氏の城下町
光秀が一時身を寄せた越前国(現・福井県)の朝倉氏ゆかりの地です。
- 一乗谷朝倉氏遺跡:朝倉義景の居城があった一乗谷。450年前の戦国時代の城下町がそのまま残る貴重な遺跡で、発掘された石垣や礎石をもとに再現された「復原町並」では、当時の武家屋敷や町屋を体験できます。光秀が朝倉氏のもとで過ごした日々を感じられる必見スポットです。
滋賀県エリア ― 光秀の活躍と悲劇の地
明智光秀が武将として最も功績を残した近江国(現・滋賀県)。比叡山焼き討ちから安土城、そして最後の戦いまで、光秀の運命を決定づけた場所が集中しています。
- 比叡山延暦寺:元亀2年(1571年)の比叡山焼き討ちは、光秀にとって大きな転換点でした。世界文化遺産にも登録された天台宗の総本山で、1200年以上の歴史を持つ荘厳な寺院群は圧巻です。
- 西教寺:明智光秀の菩提寺として知られる天台真盛宗の総本山。光秀一族の墓があり、光秀が比叡山焼き討ち後に復興に尽力したとされています。ドラマファンにとっては最も感慨深い聖地の一つです。
- 安土城跡:織田信長が天下統一の拠点として築いた壮大な城。現在は石垣が残るのみですが、天主台跡からの琵琶湖の眺望は素晴らしく、信長の壮大な野望を感じることができます。
京都府エリア ― 本能寺の変の舞台
日本史最大の事件の一つ「本能寺の変」の舞台となった京都。光秀の運命が決した地です。
- 本能寺跡:天正10年(1582年)6月2日、明智光秀が主君・織田信長を討った「本能寺の変」の舞台。現在の本能寺は移転後の場所にありますが、事件当時の本能寺があった場所(中京区小川通蛸薬師元本能寺南町)には石碑が建てられています。ドラマのクライマックスとなった歴史的な場所です。
- 勝竜寺城公園:本能寺の変の後、山崎の戦いで羽柴秀吉に敗れた光秀が最後に立ち寄ったとされる城。現在は美しく整備された公園となっており、光秀の最期に思いを馳せることができます。長岡京市にあり、光秀の物語の終着点です。
聖地巡礼のおすすめルート
岐阜・光秀生誕の地コース(1日)
可児市の明智城址から光秀の生涯をたどる旅をスタート。明智一族の菩提寺・天龍寺を参拝し、午後は岐阜城へ。金華山ロープウェーで山頂に上り、道三と光秀が見た美濃の絶景を堪能しましょう。岐阜県大河ドラマ「麒麟がくる」推進協議会が整備した観光ルートも参考になります。
滋賀・光秀ゆかりの寺社巡りコース(1日)
比叡山延暦寺で荘厳な寺院群を巡った後、坂本の西教寺で光秀一族の墓に手を合わせます。午後は安土城跡を訪れ、石段を登って天主台跡からの琵琶湖の眺望を楽しむコースです。大津市観光協会の「明智光秀ゆかりの地」マップが便利です。
京都・本能寺の変を追体験コース(半日)
京都市中京区の本能寺跡(石碑)からスタートし、現在の本能寺を参拝。その後、JRで長岡京へ移動し、勝竜寺城公園で光秀最期の地を訪れます。歴史の転換点を自分の足で巡る、感慨深い聖地巡礼コースです。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは2,600件超のレビューで平均スコア★3.8を獲得。NHK大河ドラマとしては、COVID-19の影響で約2ヶ月半の放送休止を余儀なくされるという前例のない事態を乗り越えながら、全44回を完走しました。
好評だったポイント
「長谷川博己さんの演技のすごさを改めて実感」「本木雅弘の道三が圧巻で、退場後の"道三ロス"が辛かった」「染谷将太の斬新な信長像が最高」と、キャスト陣の演技が絶賛されています。また、「衣装の色使いがNHK大河ドラマらしくも新しい」「オープニング映像と音楽は大河史上最高レベル」と映像面の評価も非常に高いです。「明智光秀という、これまでマイナスなイメージだった人物を応援したくなる主人公に仕上げた脚本が見事」という声も多く、歴史ドラマファンのみならず幅広い層から支持を集めた作品です。