作品紹介
『心がポキッとね』は2015年4月8日から6月10日までフジテレビ系「水曜22時」枠で放送された全10話の連続ドラマです。主演は阿部サダヲで、ヒロインに水原希子、共演に藤木直人、山口智子を迎えた豪華キャストが話題を呼びました。脚本は『ひよっこ』などで知られる岡田惠和によるオリジナル作品で、「病んでる大人」たちの再生と恋愛をブラックユーモアたっぷりに描いたラブコメディーです。
物語の中心は、仕事で心を病み、家族も失ってホームレス同然の暮らしをしていた小島春太(阿部サダヲ)。アンティーク家具店を営む大竹心(藤木直人)に拾われ、その店で働き始める春太は、人懐こそうに見えて実は誰よりも不器用な自分の世界に閉じこもっていました。そんな彼の前に現れたのが、同じく「心がポキッと折れた」美容師の葉山みやこ(水原希子)。さらに心の元恋人で謎めいた大人の女性・鴨田静(山口智子)も絡み、4人の不器用で面倒くさい関係が、吉祥寺を舞台にゆるやかに交錯していきます。
阿部サダヲの独壇場ともいえる長セリフの演技、岡田惠和らしい会話劇のテンポ感、そして吉祥寺・井の頭公園を中心とした生活感あふれるロケ撮影が融合し、静かな空気の中に不意に刺さる人間ドラマが展開されるのが本作の魅力です。
話題になったポイント
岡田惠和×阿部サダヲによる「病んでる大人」の群像劇
本作は『ちゅらさん』『ひよっこ』などの名脚本家・岡田惠和が「大人が本当に困っているときに笑えるドラマ」を目指して書き下ろしたオリジナル作品。阿部サダヲはフジテレビ系では『マルモのおきて』以来4年ぶりの連続ドラマ主演で、彼のコミカルかつ繊細な演技が「彼なくしてはこのドラマは成立しなかった」と評されました。最終回の長尺独白シーンは圧巻の一言です。
水原希子と山口智子、対照的な2人のヒロイン
若く儚げな美容師・みやこを演じた水原希子と、色気と謎を湛える大人の女性・静を演じた山口智子。世代も性格も正反対の2人が、同じ「心を折られた経験」を軸にぶつかり合いながら、春太や心の運命を動かしていきます。山口智子は1997年の『ロングバケーション』以来となる民放連ドラ出演としても注目を集め、往年のファンを喜ばせました。
吉祥寺・井の頭公園を舞台にした丁寧な街の描写
劇中のほぼ全ての舞台が吉祥寺~井の頭公園周辺に集約されており、サンロード商店街、中道通り、七井橋など、地元で暮らす人々の生活動線がそのまま映像になっています。「ドラマを見て吉祥寺に行きたくなった」という感想がSNSで数多く投稿され、吉祥寺という街の魅力を再発見させた作品としても記憶されています。
ロケ地ガイド
吉祥寺・井の頭公園エリア(東京都武蔵野市)
本作の中心的な舞台。アンティーク家具店のある街並みから、登場人物たちがたびたび立ち寄る公園、商店街、カフェまで、物語のムードを決定づけるシーンの多くがこのエリアに集中しています。
- 井の頭公園:春太がたびたび足を運ぶ、ドラマの象徴的な舞台。池のほとりのシーンや登場人物同士の会話劇の多くがここで撮影されました。
- 井の頭公園入口:劇中で公園に出入りする場面に登場。吉祥寺駅から公園へと向かう道のりは、物語の空気感を象徴するカットとして繰り返し映されます。
- VILLAGE VANGUARD DINER吉祥寺店:劇中に登場するテキサスバーガー屋として知られるロケ地。クセのある店内装飾とグルメ感が作品のトーンにマッチしています。
- 元祖仲屋むげん堂弐番組:4人が買い物に出かけるシーンに登場する、吉祥寺らしいエスニック雑貨店。
- Design Tshirts Store graniph吉祥寺中道通り店:個性的なTシャツが並ぶグラニフの吉祥寺店。ショッピングシーンの舞台として登場します。
- B-COMPANY Transit吉祥寺中道通り店:同じく中道通りにあるインテリアショップ。街歩きシーンの雰囲気作りに欠かせません。
- 丸井前の井の頭通り:駅前からアーケードへとつながる動線で、登場人物たちの日常の通り道として何度も映ります。
- 吉祥寺元町通り商店街:生活感あふれる商店街で、春太たちが食事や買い物に向かうシーンに登場。
- 吉祥寺サンロード商店街:吉祥寺を代表するアーケード街。待ち合わせや移動の場面で頻出する定番ロケ地です。
- カラオケ館吉祥寺北口店:登場人物たちがカラオケに繰り出すシーンに登場する定番チェーン店。
- daylight kitchen:落ち着いた雰囲気のカフェダイニングで、食事シーンの舞台に。
世田谷・都内その他エリア(東京都)
吉祥寺以外にも、世田谷区や都心部を中心に印象的な舞台が点在しています。
- CAFE SOUL TREE:世田谷区鎌田にある、心の家兼アンティーク家具店として使われた重要ロケ地。物語の拠点として何度も登場します。
- ブルックリンリボンフライKOMAZAWA:駒沢エリアに位置するカフェで、登場人物のデートや会話シーンに使用されました。
- グロース用賀店:用賀のおしゃれな雑貨店が登場人物たちの寄り道ポイントに。
- 深川ギャザリア:江東区の複合商業施設。広々とした広場は屋外シーンの撮影に活用されました。
- 雷門前の道:浅草・雷門周辺の景観が、特徴的なシーンの舞台として用いられています。
- PAL:ファッション雑貨のお店がショッピングシーンに登場。
- CAFE ZENON:吉祥寺の名物カフェのひとつで、文化の香り漂う空間がシーンを彩ります。
- 新宿文化クイントビル:新宿の洗練されたオフィスビル。仕事関連のシーンで使用。
- 代々木VILLAGE:緑豊かな代々木の複合施設が、登場人物の心が解けていく場面の背景に。
- あじと 麻布十番 本店:隠れ家的な雰囲気の麻布十番の名店。大人の会話シーンにぴったりの舞台です。
- せきれい橋付近の善福寺川緑地公園:杉並区の緑豊かな公園。散策シーンの舞台として使われました。
- 国士舘大学の前の道:世田谷の閑静な通りが、登場人物の通行シーンに使用。
- フジテレビ湾岸スタジオ:本作のメインスタジオ。お台場エリアに位置する制作の拠点です。
- おさかな本舗たいこ茶屋:下町の雰囲気を感じさせる食事処が、賑わいシーンの舞台となっています。
神奈川エリア(神奈川県)
川崎・横浜周辺もロケ地として活用されており、都心とは一味違う生活圏の雰囲気が画面を彩ります。
- 二ヶ領用水:川崎を流れる歴史ある用水路。水辺を歩くシーンに情緒を加えます。
- 京急鶴見駅:横浜・鶴見の玄関口。登場人物の移動シーンに使われました。
- Mar-Vista Garden:おしゃれな雰囲気のスポットが、印象的なシーンの舞台として登場。
- 国道246号:都心と神奈川を結ぶ幹線道路の風景が、移動シーンを象徴的に映します。
- 松屋鷺沼店:川崎・鷺沼の牛丼チェーン店で、日常感あふれる食事シーンに使用されました。
千葉エリア(千葉県)
海辺と採石場という対照的な自然風景が、物語のターニングポイントで使われました。
- 金田見立海岸潮干狩場:木更津の潮干狩場。開放感あふれる海のシーンで登場します。
- 採石場:広大で非日常的な景観が、印象的な一場面の舞台となりました。
聖地巡礼のおすすめルート
吉祥寺駅発・井の頭公園ぐるり半日コース
吉祥寺駅北口を出発し、吉祥寺サンロード商店街を北に抜けて元祖仲屋むげん堂弐番組やgraniph吉祥寺中道通り店を巡り、VILLAGE VANGUARD DINERでテキサスバーガーを味わうのが序盤のハイライト。その後、南へ下って井の頭公園入口から井の頭公園へ入り、七井橋を渡って池のほとりを散策するとドラマ本編の空気感が一気に蘇ります。徒歩メインで所要時間は3〜4時間、カフェ休憩込みで半日楽しめるお手軽コースです。
世田谷アンティーク&カフェ巡りルート
物語の拠点となるCAFE SOUL TREE(世田谷区鎌田)を中心に、グロース用賀店やブルックリンリボンフライKOMAZAWAを車または電車で巡るコース。鎌田→用賀→駒沢と南東方向に移動しながら、劇中の「落ち着いた大人のトーン」を担った空間を堪能できます。所要時間はランチ込みで5〜6時間程度。吉祥寺とは対照的な、世田谷の洗練された生活感を感じ取れるのが魅力です。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは1,485件のレビューで平均★3.6というまずまずの評価を獲得。全話平均視聴率は6.6%、初回10.4%で滑り出したものの徐々に数字を落としていきました。賛否が大きく分かれる作品で、岡田惠和脚本ファンや阿部サダヲファンからは高く評価される一方、テンポの緩やかさや独特の世界観が合わないと感じる視聴者もいたことが特徴です。
好評だったポイント
最も称賛されているのは阿部サダヲの演技で、「彼なくしてはこのドラマは成立しなかった」「最終回の独演会のような長セリフが圧巻だった」というコメントが多数寄せられました。第8話の「ロボットを拾うエピソード」や最終回の結婚前夜のシーンはSNSでも大きな話題となり、名シーンとして語り継がれています。また吉祥寺・井の頭公園のロケーションの活かし方、藤木直人・山口智子ら共演陣のアンサンブル、岡田惠和節の効いた台詞回しも、ドラマファンから高く支持されています。