作品紹介
『リップスティック』は1999年4月12日から6月28日までフジテレビ系列で月曜21時に放送された連続ドラマ(全12話)。主演は三上博史(有明悠役)と広末涼子(早川藍役)。脚本は野島伸司、共演に窪塚洋介、菅野美穂、小雪、長谷川朝晴、桜井幸子など。鑑別所という閉ざされた空間を舞台に、教官と少女の禁断の絆を描いた野島伸司の問題作。当時の広末涼子の体当たり演技と、三上博史の翳のある教官役の対決が、放送当時の社会現象になりました。
暴行事件を起こした少女・早川藍(広末涼子)が東京第二少年鑑別所に送られてきます。藍は口もきかず、食事も拒否し、職員たちに反抗的な態度をとる頑なな状態。この鑑別所に有明悠(三上博史)が職員として勤めており、有明は心にわだかまりを抱えていました。鑑別所という特殊な世界で出会った有明と藍が、有明が藍の心を開く作業をしていくうち、藍に惹かれ、藍も有明の中に新しい自分を見つけていきます。窪塚洋介、菅野美穂、小雪、長谷川朝晴ら鑑別所仲間との群像劇も見どころで、若手俳優のブレイク作としても記憶されています。
本作は埼玉県熊谷市の繭検定所(鑑別所外観)を中心に、八王子の東京医科大学八王子医療センター、渋谷タワーレコード、代々木競技場、外苑西通り、世田谷ユリの木公園、笹塚駅北口商店街、八王子秋葉台公園など、東京・埼玉のリアルなロケーションで撮影。野島伸司らしい都市と若者文化の隙間を切り取った映像が、平成日本の若者の閉塞感を象徴的に描き出しました。明治座(中央区)でのラストシーンも印象的です。
話題になったポイント
広末涼子の体当たり鑑別所演技
当時アイドル女優として絶頂期の広末涼子が、鑑別所収容生という難役に体当たりで挑戦。アイドルイメージを覆す閉塞感ある演技で、女優としての可能性を切り開いた野島伸司ドラマの代表作。後の女優人生に繋がる原点的作品です。
三上博史の翳のある教官役
『君が嘘をついた』『悲しいほどお天気』の三上博史が、心にわだかまりを抱える鑑別所教官役を熱演。広末涼子の藍と織りなす禁断の絆は、野島伸司らしい「閉ざされた空間の中で生まれる愛」の系譜を体現しました。
野島伸司「鑑別所群像劇」の問題作
『高校教師』『ひとつ屋根の下』の野島伸司が、鑑別所という社会の闇を舞台に展開する群像劇。窪塚洋介、菅野美穂、小雪らの若手俳優陣がそれぞれの問題を抱える少女・少年として登場し、平成日本の社会問題を炙り出しました。
ロケ地ガイド
鑑別所・関東郊外エリア
鑑別所と関連施設。
- 埼玉県繭検定所:熊谷市曙町2丁目、東京第二鑑別所。
- 東京医科大学八王子医療センター:八王子市館町、桑田千尋の入院病院。
- 野村病院:三鷹市下連雀8丁目、井川真白の入院病院。
- 埼玉慈恵病院:熊谷市石原3丁目、最終話の牧村紘毅の入院病院。
渋谷・原宿エリア
若者カルチャーの聖地。
- タワーレコード渋谷店:渋谷区神南1丁目、第1・6話の事件レコード店。
- カフェ・ミケランジェロ:渋谷区猿楽町、第1話のすれ違いカフェ。
- 国立代々木競技場:渋谷区神南2丁目、藍が走る石畳。
- 外苑西通り:渋谷区千駄ヶ谷1丁目、有明と出会うバス停。
- 笹塚駅北口商店街:渋谷区笹塚2丁目、第9話の脱走商店街。
都内・郊外エリア
事件と関係者の舞台。
- JTビル:港区虎ノ門2丁目、第8話の吉岡篤の勤務先。
- ユリの木公園:世田谷区赤堤1丁目、第9話の遊歩道。
- 秋葉台公園:八王子市別所2丁目、第9話の長すべり台公園。
- 日蓮宗長久山安詳寺:大田区久が原4丁目、最終話の井川真白葬儀の寺。
- 明治座:中央区日本橋浜町2丁目、最終話のラストシーン。
聖地巡礼のおすすめルート
鑑別所・熊谷ルート
埼玉県繭検定所を起点に埼玉慈恵病院を訪ね、鑑別所外観ロケの聖地を巡るコース。
渋谷若者文化ルート
タワーレコード渋谷店→国立代々木競技場→外苑西通り→カフェ・ミケランジェロと巡る、渋谷リップスティック聖地コース。
明治座ラストルート
日蓮宗長久山安詳寺で井川真白の葬儀シーン、明治座で有明の呆然と歩いたラストシーンを訪ねる、最終話エピローグルート。
視聴者の声・評判
評価スコア
野島伸司の問題作として平均視聴率17.3%を記録。広末涼子の出世作のひとつとして、現在も野島伸司ドラマファンから愛され続ける作品です。
好評だったポイント
「広末涼子の体当たり演技に衝撃」「三上博史の翳のある教官役が完璧」「窪塚洋介・菅野美穂ら若手の存在感」「鑑別所の閉塞感が見事に再現」「野島伸司らしい禁断の絆」「タワレコ渋谷・代々木のロケが90年代を象徴」「ラスト明治座の余韻が忘れられない」――平成日本の若者ドラマの代表作として、現在も語り継がれる名作です。