作品紹介
『舞いあがれ!』は2022年度後期に放送されたNHK連続テレビ小説の第107作です。脚本は桑原亮子が手がけ、ヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じました。物語は1990年代から現代にかけて、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島を舞台に、空への憧れを抱くヒロインの成長と挫折、そして再生を描きます。
幼い頃に体が弱かった舞は、五島列島の祖母のもとで過ごした経験から「空を飛びたい」という夢を抱くようになります。大学で人力飛行機サークルに参加し、航空学校でパイロット訓練を受けますが、リーマンショックの影響で父が経営するねじ工場「IWAKURAが」危機に陥り、家業を継ぐ決断をします。やがて町工場同士をつなぐ会社を起業し、最終的には「空飛ぶクルマ」の開発に携わるという、壮大な物語が全126話で展開されました。
話題になったポイント
「ものづくりの町」東大阪の魅力発信
朝ドラとしては異例の「町工場」「ねじ」というテーマを取り上げ、日本のものづくりを支える中小企業の姿にスポットを当てました。「名もなき縁の下の力持ちたち」の物語として、地味ながらも力強いメッセージが視聴者の共感を呼びました。東大阪の工場街の風景が全国に発信され、地域の認知度向上にも貢献しました。
五島列島の美しい風景
舞が幼少期を過ごす五島列島の美しい自然が大きな話題となりました。大瀬崎灯台、高浜海水浴場、蛤浜など絶景スポットが次々と登場し、放送をきっかけに五島列島への観光客が急増。聖地巡礼ツアーが企画されるなど、地域経済にも大きな波及効果をもたらしました。
賛否を呼んだヒロインの「キャラ変」
パイロットを目指していたヒロインが途中で進路を大きく変える展開に、「舞が旅客機のパイロットになると思っていたのに話が違う」「やりたいことがコロコロ変わりすぎ」という声がある一方、「どんなに回り道をしてもその道程はすべて財産であり、決して無駄ではないというメッセージが素晴らしい」と評価する声もあり、朝ドラ史に残る挑戦作として語り継がれています。
ロケ地ガイド
大阪・東大阪エリア
- 北螺子製作所:舞の父・浩太が経営するねじ工場「IWAKURA」のロケ地。東大阪のものづくりの象徴的な場所です
- 旧東大阪市立三ノ瀬小学校:舞が通った小学校のシーンで使用されました
- 高井田の工場街:東大阪の町工場が立ち並ぶ風景として印象的に描かれたエリア
- 千里川土手:伊丹空港の着陸コース真下にある名所で、舞が飛行機を見上げるシーンのロケ地
- 株式会社コノエ:町工場の一つとして登場した実在の企業
- 喫茶水鯨:舞たちが集う地元の喫茶店シーンで使用
長崎・五島列島エリア
- 福江港ターミナル:舞と母がフェリーで五島に到着するシーンの舞台
- 黒瀬漁港:祖母の地元の漁港として登場した風情ある漁村
- 新上五島町立北魚目小学校:五島で舞が通う小学校として使用された学校
- 大瀬崎灯台:夕陽の名所として知られ、ドラマでも印象的な絶景シーンの舞台に
- 中ノ浦教会:五島列島の歴史を感じさせる美しい教会
- 蛤浜:美しい砂浜が広がるビーチで、舞の五島での思い出のシーンに登場
- 頭ヶ島天主堂:世界遺産に登録された石造りの教会
その他のエリア
- 航空大学校帯広分校:舞がパイロット訓練を受ける航空学校のロケ地(北海道)
- コウノトリ但馬空港:訓練フライトのシーンで使用された空港(兵庫県)
- 南紀白浜空港旧滑走路:人力飛行機のフライトシーンで使用(和歌山県)
聖地巡礼のおすすめルート
東大阪ものづくりルート(半日コース)
近鉄けいはんな線で東大阪エリアへ。高井田の工場街を散策し、北螺子製作所の外観を見学(工場内は非公開)。その後、旧三ノ瀬小学校周辺を歩き、枚岡公園まで足を延ばせば東大阪の町並みを一望できます。千里川土手まで移動すれば、舞と同じように頭上を通過する飛行機の迫力を体感できます。
五島列島巡礼ルート(2日コース)
1日目は福江港に到着後、黒瀬漁港と黒瀬集落を訪れ、祖母の暮らしの風景を体感。大瀬崎灯台で夕陽を眺めましょう。2日目は高浜海水浴場、蛤浜と海岸線を巡り、頭ヶ島天主堂や中ノ浦教会など世界遺産の教会群も併せて訪問。五島うどんや新鮮な魚介料理を味わいながら、ドラマの世界観に浸る贅沢な旅が楽しめます。
航空ファン向けルート(1日コース)
千里川土手で飛行機の着陸を間近に見た後、コウノトリ但馬空港へ移動。但馬空港は小さな空港ならではの温かい雰囲気があり、舞が訓練に励んだ場所を訪れることができます。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは3307件のレビューが寄せられ、2023年上半期のドラマ視聴率では1位を獲得。全話平均世帯視聴率は15.6%でした。朝ドラとしては視聴率が伸び悩んだものの、配信視聴を含めた総合的な人気は高く、NHKプラスの見逃し再生数では好成績を記録しました。
好評だったポイント
最も支持されたのは五島列島編で、「映像が美しすぎて五島に行きたくなった」「祖母と舞のやり取りに毎朝泣かされた」という声が続出。福原遥の真っ直ぐな演技も「朝ドラヒロインにぴったり」と評価されました。東大阪の町工場を支える人々の奮闘ぶりにも「地味だけど心に響く」「日本のものづくりの素晴らしさを再認識した」と共感する視聴者が多く、「どんなに失敗しても回り道をしても、その道程はすべてその人の財産」という作品の核となるメッセージは、多くの人の胸に刻まれました。