作品紹介
『真夜中のパン屋さん』は2013年4月から6月までNHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠で放送され、同年11月から12月までNHK総合「ドラマ10」枠でも放送された全8話のヒューマンドラマです。主演は滝沢秀明(当時ジャニーズ所属)、共演は桐山照史、土屋太鳳、伊藤歩、六角精児、ムロツヨシ、ともさかりえら。原作は大沼紀子の同名人気小説シリーズ(ポプラ社)で、夜11時から朝5時までしか営業しない一風変わったパン屋を舞台にした"一夜限りの人生ドラマ"です。
舞台は東京・世田谷のパン屋「ブランジェリークレバヤシ」。オーナーの暮林陽介(滝沢秀明)は、妻を亡くした過去を抱え、理由あって深夜にしか店を開けない変わり者の40代男性。従業員は飄々とした青年・柳弘基(桐山照史)。ある日、女子高生・篠崎希実(土屋太鳳)が店を訪れ、自分は暮林の亡き妻の腹違いの妹だと告げて居候を申し出ます。深夜のパン屋に集まる"人生のわけあり"な人々との交流を通じて、心の傷と優しさが穏やかに描かれます。
滝沢秀明の抑制された主演、土屋太鳳の陰影ある女子高生、桐山照史の陽性のアンサンブル、個性豊かな客たちを演じる六角精児・ムロツヨシ・ともさかりえ・前田亜季。小説3冊分のエピソードを2時間×4夜の前・後編構成でドラマ化した、上質な大人の寓話です。
話題になったポイント
滝沢秀明の主演パン屋オーナー
滝沢秀明が演じる寡黙で不器用な40代のパン屋オーナーは、彼の新境地。それまでの明るいキャラクターとは一線を画す静謐な芝居で、評価を獲得しました。
土屋太鳳の代表作の一つ
当時まだブレイク前だった土屋太鳳が、陰を抱える女子高生・希実役で重要な存在感を発揮。翌年の『花子とアン』につながる成長の一歩となった作品です。
深夜のパン屋という叙情的な舞台
実在するパン屋を連想させる"深夜のみ開店"という設定と、訪れる客一人一人の人生ドラマ。一夜で完結するエピソードの余韻が大人の視聴者の心を掴みました。
ロケ地ガイド
ブランジェリークレバヤシの舞台
店の外観・内装・周辺は、世田谷の下町情緒あふれる場所で撮影されました。
- Cafe Suginoco:ブランジェリークレバヤシ
- 北沢川緑道:店近くの階段とゴミ置き場
- 埼玉県立三郷工業技術高等学校:篠崎希実の都立桜ヶ原高等学校
世田谷の街並みと日常
深夜のパン屋・希実の学校・配達先など、世田谷を中心とした東京の街並みが全編で映し出されます。
- 駒沢オリンピック公園:第1話の歩道橋
- 三茶3番街:第1話の裏路地繁華街
- 鶴牧東公園:第1話のパンを食べた丘の公園
- 松陰神社通り商店街:第2話のチラシ配りの街角
- 環七通りの若林踏切交差点:第2話の自転車帰宅シーン
希実・織絵の思い出の場所
希実と、登場する人物たちの思い出や転機のシーンは、象徴的な場所で撮影されました。
聖地巡礼のおすすめルート
世田谷・下北沢パン屋ルート
Cafe Suginoco→北沢川緑道→松陰神社通り商店街と、ブランジェリークレバヤシの世界観を歩くコース。世田谷の下町の優しい空気に包まれます。
三茶・駒沢散歩ルート
三茶3番街→駒沢オリンピック公園→世田谷観音と、希実と陽介の東京散歩を追体験する半日コース。
視聴者の声・評判
評価スコア
NHK BSプレミアム・総合両方で放送され、文学性のある大人のドラマとして熱心なファンを獲得。原作ファン、小説ファン層からも支持されました。
好評だったポイント
滝沢秀明の抑制の効いた演技、土屋太鳳の陰影ある芝居、原作の世界観を丁寧に再現した脚本、そして世田谷の街並みの情感。NHKらしい上質な大人のドラマとして評価されています。