作品紹介
『泣かないと決めた日』は、2010年1月から3月にかけてフジテレビ系で全8話が放送された社会派ドラマです。主演は榮倉奈々。中堅大学を卒業後、憧れだった業界最大手の総合商社・葵井商事に入社した22歳のOL・角田美樹が、配属初日のささいなきっかけから職場いじめのターゲットにされ、壮絶なパワーハラスメントに立ち向かいながら成長していく姿を描きます。
「イジメは子供だけのものですか」というキャッチコピーが示す通り、大人の世界に蔓延る職場いじめという社会問題に真正面から切り込んだ意欲作です。チームリーダーの立花有希子(木村佳乃)による陰湿な嫌がらせ、同期の丸山万里香(杏)の裏切り、見て見ぬふりをする周囲の社員たち――追い詰められた美樹は自殺未遂にまで追い込まれますが、営業部の仲原翔太(藤木直人)や先輩の久保大輔(要潤)といった味方の存在に支えられ、「泣かない」と決意して這い上がっていきます。
序盤は視聴率10%台と苦戦したものの、回を追うごとに口コミで評判が広がり、最終回では14.9%を記録。全話平均視聴率は11.4%でした。放送終了後も反響が大きく、同年6月にはスペシャルドラマ『絶対泣かないと決めた日〜緊急スペシャル〜』が放送されました。
話題になったポイント
職場いじめをリアルに描いた衝撃のストーリー
本作が視聴者に与えた衝撃は計り知れません。書類を隠される、仕事を押し付けられる、無視される、食品冷凍庫に閉じ込められる――エスカレートしていくいじめの描写は、多くの社会人視聴者から「リアルすぎて辛い」「自分の会社でも似たようなことがある」という声を引き出しました。しかし単なる暗いドラマに留まらず、美樹が仲間を得て少しずつ立ち上がっていく過程が丁寧に描かれ、「見ていて勇気をもらえた」「自分も頑張ろうと思えた」という前向きな感想が多く寄せられました。
木村佳乃の圧巻の"悪女"演技
いじめの首謀者・立花有希子を演じた木村佳乃の演技が大きな話題を呼びました。表面上は優しく有能なチームリーダーでありながら、裏では美樹を執拗に追い詰める二面性を、木村佳乃は鬼気迫る演技で表現。「木村佳乃が怖すぎる」「あの笑顔が本当に恐ろしい」と視聴者を震え上がらせました。この役柄は木村佳乃のキャリアにおいても転機となり、以降の演技派女優としての評価を確立するきっかけとなりました。
杏の存在感と若手キャストの競演
同期でありながら美樹を裏切る丸山万里香を演じた杏の存在感も光りました。一見親しげでありながら陰で糸を引く複雑な役柄を、杏は説得力たっぷりに演じ切りました。また、川口春奈や五十嵐隼士など、後にブレイクする若手俳優たちが脇を固め、今見返すと豪華なキャスティングとなっています。藤木直人演じる仲原の温かい存在感も、作品に救いをもたらす重要な要素でした。
ロケ地ガイド
東京・多摩エリア ― 美樹の生活圏
主人公・美樹の日常生活の舞台となったのが、東京西部の多摩エリアです。自然豊かな環境と住宅街が広がるこのエリアが、美樹の素朴で真面目な人柄を映し出す舞台となりました。
- 恵泉女学園大学:美樹の大学時代の回想シーンなどで使用された学校施設です。
- 長池公園:美樹が一人で思い悩むシーンなど、心情を映す場面で使用された自然豊かな公園です。
- 府中の森公園:広々とした公園で、リフレッシュするシーンなどに登場しました。
- 都立桜ヶ丘公園「ゆうひの丘」:夕陽が美しい丘の上の公園で、印象的なシーンが撮影されました。
東京・世田谷/二子玉川エリア ― おしゃれな街並み
世田谷区を中心としたエリアも、ドラマの重要なロケ地が点在しています。
- ハッピーロード尾山台:美樹が日常的に通る商店街として繰り返し登場。親しみやすい雰囲気の商店街です。
- ビッグボーイ二子玉川店:美樹が同僚と食事をするシーンで使用されたファミリーレストランです。
- familiar広尾店:劇中で登場した広尾の洗練されたショップです。
- 多摩川:美樹が川沿いを歩きながら気持ちを整理するシーンで登場しました。
東京・湾岸/都心エリア ― 商社ビジネスの舞台
大手商社が集まる都心部や湾岸エリアは、美樹の職場周辺として重要なロケ地となっています。
- 晴海大橋:都会的な湾岸エリアの橋で、美樹が通勤するシーンや印象的な場面で使用されました。
- 有明北橋:湾岸エリアの近代的な橋として、都会の冷たさと美しさを同時に表現するシーンに登場しました。
- 東京港フェリーターミナル:湾岸の雰囲気が漂う場所で、重要なシーンが撮影されました。
- リーガロイヤルホテル東京:格式あるホテルとして、ビジネスシーンや重要な会合のシーンで使用されました。
- 夢の大橋東側の道路:お台場エリアの近代的な風景が、都会で働く若い女性の姿を映し出しました。
神奈川・横浜/川崎エリア ― 郊外の風景
神奈川県内でも多くのシーンが撮影されており、美樹の行動範囲の広さを感じさせます。
- せせらぎ公園:水辺のある静かな公園で、美樹が気持ちをリセットするシーンに使用されました。
- 三田第一公園:住宅街の中の公園として、日常的なシーンで登場しました。
- 横浜市営地下鉄ブルーライン仲町台駅:通勤シーンなどで使用された駅です。
- 生田スタジオ:ドラマの撮影スタジオとして使用された施設です。
聖地巡礼のおすすめルート
尾山台・二子玉川 美樹の日常コース(半日)
東急大井町線の尾山台駅からハッピーロード尾山台を散策するところからスタート。商店街の温かい雰囲気を楽しんだ後、二子玉川方面へ移動してビッグボーイ二子玉川店でランチ。多摩川の河川敷を散歩すれば、ドラマの中で美樹が過ごした日常の風景に浸ることができます。
湾岸エリア ビジネスウーマンの街コース(半日)
晴海大橋からスタートし、有明北橋を渡って湾岸エリアを散策。東京港フェリーターミナルで海を眺めた後、夢の大橋方面へ。都会的な風景の中を歩きながら、美樹が奮闘した商社ウーマンの世界を追体験できます。
多摩・八王子 自然満喫コース(半日)
自然豊かな多摩エリアを巡るコースです。府中の森公園で緑に囲まれた時間を過ごした後、都立桜ヶ丘公園「ゆうひの丘」で多摩丘陵の絶景を楽しみましょう。長池公園まで足を延ばせば、美樹が一人で心を休めた自然の中の空間を体験できます。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksでは平均3.4点(5.0点満点)を記録。全話平均視聴率は11.4%で、最終回は14.9%を達成。序盤の10%台から尻上がりに数字を伸ばし、口コミの力で視聴者を拡大していった作品です。放送後のスペシャル版制作が決定したことからも、その反響の大きさがうかがえます。
好評だったポイント
最も多く聞かれるのが「見ていて辛いけど勇気をもらえた」という声です。職場いじめのリアルな描写に「胸が痛くなる」「見るのが辛い」としながらも、「美樹が少しずつ強くなっていく姿に感動した」「最後まで見てよかった」という意見が圧倒的多数を占めています。木村佳乃の"悪女"演技は「怖すぎて鳥肌が立った」「演技力に脱帽」と絶賛され、杏の裏切り役についても「リアルで怖い」と話題に。榮倉奈々については「泣きの演技が素晴らしい」「応援せずにはいられない」と、ヒロインへの感情移入の強さが際立ちました。社会問題としての職場いじめに対する問題提起という点でも評価が高く、「こういうドラマがもっとあるべき」「社会人必見」という声も多く寄せられています。