作品紹介
『黒澤明ドラマスペシャル 野良犬』は2013年1月19日にテレビ朝日開局55周年記念番組として放送された2時間のスペシャルドラマです。主演は江口洋介、共演は広末涼子、中村獅童、柄本佑、永瀬正敏(約10年ぶりのTVドラマ出演)、ミムラ、大杉漣、嶋田久作、でんでんら。監督は鶴橋康夫、脚本は黒澤明・菊島隆三(1949年の原作映画の脚本)、脚色は池端俊策。1949年に黒澤明監督が製作した映画『野良犬』を、現代に舞台を移して平成リメイクした意欲作です。
主人公・村上(江口洋介)は城北警察署の刑事。ある日、バスで通勤中に拳銃をすられるという失態を犯します。失態を取り返そうとする村上ですが、"新人の不祥事"として自由な捜査は許されず、さらに拳銃密売の疑いまでかけられてしまいます。犯人は中学時代の同級生・柳下銀次(柄本佑)と判明、しかしさらに奪われた拳銃を使った殺人事件が発生。捜査線上には、村上のかつての親友・遊佐英(永瀬正敏)が浮上します——。
村上、柳下、遊佐の3人は中学時代の同級生。戦後の名作『野良犬』の骨格を現代の友情と罪の物語に再構築し、江口洋介×柄本佑×永瀬正敏の緊張感ある演技合戦を繰り広げる、黒澤映画リメイクとしては画期的な試みでした。広島県呉の造船所や、呉駅、横浜・神奈川のガード下、東京のヒルサイドクラブ迎賓館など、重層的なロケを展開。
話題になったポイント
黒澤明映画の初ドラマ化
1949年の黒澤映画『野良犬』が、映画を除いて初めてドラマ化された記念碑的作品。テレビ朝日開局55周年記念の力作として制作されました。
江口洋介×永瀬正敏の緊張感
江口洋介の新人刑事と、永瀬正敏の因縁の親友の対峙が作品の軸。永瀬正敏が約10年ぶりにTVドラマ出演した注目作として話題を集めました。
柄本佑×中村獅童の悪役
犯人側の柄本佑(スリ役)と中村獅童(ボス役)の演技合戦も見どころ。クラシック映画ファンだけでなく、俳優ファン層にも強く刺さった作品です。
ロケ地ガイド
村上刑事の追跡
冒頭のバスでの拳銃スリと、その後の追跡シーンは、神奈川の都市近郊で撮影されました。
- 道路:村上翔一と柳下銀次のバス
- 市営埠頭バス停:柳下銀次のバス停
- JR東海道貨物線の厳島跨線橋:柳下銀次の追跡
- 神奈川水再生センター:城北警察署
- 府中皮膚科医院:交番勤務先
広島・呉の遊佐造船
友情の原点と、遊佐英の行方を追う広島県呉でのシーン。
東京の重要シーン
村上の捜査活動や、クライマックスのシーン。
- 三軒茶屋シネマ:中町ロックシアター
- メディアカフェポパイ 神田店:media cafe POPEYE
- ホテルクラスカ:屋外階段の追跡
- ヒルサイドクラブ迎賓館:広島県立東陽高校 同窓会
- 鳩山会館:重山浩介の坂道
- 川口西公園:重山浩介が逃げた公園
聖地巡礼のおすすめルート
広島・呉の友情ルート
JR呉線呉駅→山本造船→満舟寺→県民の浜と、村上と遊佐の友情の原点を辿る呉コース。
東京・重要シーンルート
ヒルサイドクラブ迎賓館→ホテルクラスカ→鳩山会館と、同窓会+追跡+クライマックスの舞台を巡る都内コース。
視聴者の声・評判
評価スコア
テレビ朝日開局55周年記念番組として高評価を獲得。黒澤明ファン・江口洋介ファン・永瀬正敏ファン層から支持された意欲作として記憶されています。
好評だったポイント
江口洋介の刑事役、永瀬正敏の重厚感、柄本佑の怪演、中村獅童の悪役、鶴橋康夫演出の映像美。黒澤明映画の現代リメイクとして挑戦的な試みを成功させた一作です。