作品紹介
『おせん』は、きくち正太の同名漫画を原作に、2008年4月22日から6月24日まで日本テレビ系「火曜ドラマ」枠で放送された全10話の連続ドラマです。蒼井優の連続ドラマ初主演作品として注目を集めました。
東京・谷中にある老舗料亭「一升庵(いっしょうあん)」を舞台に、天然ボケで大の酒好きながら、料理・書・陶芸に天才的な美的感覚を持つ女将・半田仙(蒼井優)と、新入りの江崎ヨシ夫(内博貴)ら従業員たちが織りなすグルメ人情劇。「本物」とは何かを問いかける物語が展開されます。
脚本は大石静。蒼井優の美しい着物姿や、日本の伝統文化への真摯な眼差しが見どころです。
話題になったポイント
蒼井優の着物姿と演技
蒼井優が毎話異なる着物を纏い、凛とした女将を演じる姿が高く評価されました。普段はふんわりとした天然キャラでありながら、仕事となると鋭い審美眼を発揮するギャップが魅力的でした。
原作者・きくち正太の連載中断
原作者のきくち正太は、ドラマ化にあたり原作との大きな相違にショックを受け、連載を告知なしで中断するという異例の事態に。原作ファンとドラマファンの間で大きな議論を呼びました。後に『おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。』として連載を再開しています。
「本物」へのこだわり
ドラマでは、手間暇かけた本物の味や職人技を大切にするテーマが一貫しています。効率やコスト重視の現代社会に対し、伝統的な「真っ当」な仕事の価値を問いかける内容は、多くの視聴者の共感を集めました。
ロケ地ガイド
谷中・下町エリア(メインロケ地)
物語の舞台は東京の下町情緒あふれる谷中周辺。一升庵のある街として、商店街や路地裏の風景が数多く登場します。
- 春風萬里荘:一升庵の外観として使用。茨城県笠間市にある北大路魯山人のアトリエを移築した建物で、和の趣が料亭の雰囲気にぴったり
- 谷中銀座:劇中で繰り返し登場する、三角の門構えと階段が特徴的な商店街。下町散策の定番スポット
- 浅草ひさご通り商店街:屋根のあるアーケード商店街としてたびたび登場。浅草寺の裏手に位置する
- だんだん坂:第7話で登場する風情ある階段坂。谷中の坂道散策の名所
浅草エリア
下町の活気ある雰囲気を演出するため、浅草周辺のロケ地も多く登場します。
- 浅草すしや通り商店街:第6話で仙とヨシ夫が歩いていた商店街
- モンブラン浅草店:第6話で江崎ヨシ夫が久保田冬子と鉢合わせした老舗ハンバーグ店。浅草で長年愛される洋食の名店
- 雷門通り商店街:第6話に登場。浅草を代表する商店街
- ちょうちん花藤:第6話の野口の提灯店として登場
各話の注目ロケ地
毎回異なるゲストとテーマに合わせ、東京各所から静岡まで幅広いロケ地が使われています。
- 美術商清水本店:劇中の骨董品店「珍品堂」の外観。趣のある佇まい
- 月の湯:第1話で江崎ヨシ夫がいた銭湯。昭和レトロな雰囲気が下町ドラマにマッチ
- 下高井戸八幡神社:第3話で仙とタコ引きの竜が酒を酌み交わした神社。静かな境内が印象的
- 鉄板焼ステーキ 六番館:第4話のステーキシーン。本物の味を知る仙の審美眼が光るエピソード
- 浜当目海水浴場:第9話で仙とヨシ夫が降りた海辺のバス停「北浜通り」。静岡県焼津市の美しい海岸
- ヤマ十 増田商店:第9話の鰹節工場。日本の伝統的な食文化を象徴するシーン
聖地巡礼のおすすめルート
谷中・浅草 半日コース
日暮里駅を起点に日暮里駅北口跨線橋 → だんだん坂 → 谷中銀座を散策。その後、浅草方面へ移動してすしや通り → モンブランでハンバーグランチ → ひさご通りを巡るルートがおすすめです。
静岡・焼津 鰹節の旅
第9話の舞台となった焼津エリア。浜当目海水浴場からヤマ十 増田商店周辺を訪れれば、鰹節づくりの伝統に触れることができます。
視聴者の声・評判
Filmarks評価 ★3.8/5.0
Filmarksでは200件以上のレビューが寄せられ、平均スコア3.8を獲得しています。
好評だったポイント
「蒼井優の着物姿が美しい」「日本の伝統文化の大切さを再認識した」「毎回泣けるエピソードがある」といった声が多く見られます。特に蒼井優の透明感のある演技と、職人たちの矜持を描くストーリーが高く評価されています。
一方で、「原作と雰囲気が違う」という意見もありますが、ドラマ単体としては「丁寧な作りで見応えがある」「向井理の初々しい演技が良い」と好意的な評価が目立ちます。向井理はこの作品でブレイクのきっかけを掴んだとも言われています。