作品紹介
『黄金の石橋』は2002年4月12日フジテレビ系で放送された浅見光彦シリーズ第14弾。原作は内田康夫の同名小説(文藝春秋)。主演は榎木孝明(浅見光彦役、および俳優・絵樹卓夫役の二役)。共演に安達祐実、細川茂樹、峰岸徹、野際陽子、西岡徳馬、神山繁、平淑恵など。鹿児島県菱刈町の「黄金の石橋」(金山と石橋)を題材に、メタフィクション的な仕掛けと旅情を融合させた本格ミステリー。鹿児島県霧島・鹿児島市・伊佐市菱刈町、熊本県八代市東陽町・美里町(旧砥用町)などの石橋の名所をフルに活用した、九州石橋文化を堪能できるシリーズ屈指の名作です。
フリーのルポライター・浅見光彦のもとに、小説家・内田康夫から電話が入ります。テレビドラマで浅見役を演じている俳優・絵樹卓夫(榎木孝明・二役)の母親が、「黄金の石橋」に関する脅迫電話を受けているため調査してほしい――という依頼でした。事件の鍵となる「黄金の石橋」とは何か、なぜ脅迫の対象となったのか。浅見は調査のため鹿児島県菱刈町(現・伊佐市菱刈町)を訪れます。
菱刈町は、戦後、世界屈指の品位を誇る菱刈鉱山の発見で「黄金の町」として知られる地。同時に、九州独特の眼鏡橋(石造りアーチ橋)の文化が息づく地でもあります。浅見は石橋研究家、建設会社経営者など、地元の人々と関わりながら、過去の因縁と現在の事件が複雑に絡み合うミステリーに巻き込まれていきます。霊台橋・大窪橋・馬門橋など熊本県美里町の名橋、湯之尾滝、清水磨崖仏、菅原神社磨崖仏など、九州石仏・石橋文化のロケが、本作に独特の風土的奥行きを与えました。
話題になったポイント
榎木孝明の二役・メタフィクション設定
主演・榎木孝明が、浅見光彦本人と「ドラマで浅見役を演じている俳優・絵樹卓夫」の二役を演じる、シリーズには珍しいメタフィクション設定。原作者・内田康夫が劇中で電話を入れる演出も含め、シリーズの中でもユニークな構造を持つ作品となりました。
菱刈金山と九州石橋文化
鹿児島県菱刈鉱山(戦後発見、世界屈指の高品位金鉱山)と、熊本県美里町の通潤橋・霊台橋・大窪橋・馬門橋などの石橋群を題材に、九州の独特な石造アーチ橋文化を物語に織り込んだ名作。観光プロモーション効果も高い一作です。
九州南部の旅情ミステリー
鹿児島市の城山観光ホテル、霧島の菅原神社磨崖仏、伊佐市菱刈町の湯之尾滝、熊本県の石匠館・霊台橋など、九州南部の自然・文化・歴史をフルに活用した本格旅情ミステリー。九州ロケのスケール感が際立つ一作です。
ロケ地ガイド
鹿児島県エリア
鹿児島市・霧島・伊佐市の名所。
- 石橋記念公園:鹿児島市浜町、薩摩石橋の保存公園。
- 鹿児島空港:霧島市溝辺町麓。
- 国道10号線:鹿児島市竜ヶ水付近。
- 城山観光ホテル:鹿児島市新照院町、桜島を望む名門ホテル。
- 志學館大学:霧島市隼人町内。
- 菅原神社磨崖仏:霧島市隼人町松永。
- 中央公民館:鹿児島市山下町。
- 湯之尾滝公園:伊佐市菱刈町川南、菱刈町の名所。
- 湯尾滝公園の赤い鉄橋:伊佐市菱刈町川南。
- 菅原神社:霧島市隼人町松永。
- 清水磨崖仏:南九州市川辺町清水桜元、巨大な磨崖仏群。
熊本県・石橋の名所エリア
九州石橋文化の聖地。
- 石匠館:八代市東陽町、石橋文化の博物館。
- 八代市役所東陽支所(旧東陽村役場):八代市東陽町。
- 大通峠:球磨郡五木村、九州山地の峠。
- 霊台橋:下益城郡美里町清水、九州屈指の石橋。
- 大窪橋:下益城郡美里町大窪、美しい石橋。
- 馬門橋:下益城郡美里町今、石造アーチ橋。
- 二股橋:下益城郡美里町小筵。
長野・浅見家シーン
シリーズ恒例の浅見家。
- 浅見光彦の家:長野県軽井沢町発地。
聖地巡礼のおすすめルート
菱刈黄金ルート
湯之尾滝公園と湯尾滝公園の赤い鉄橋を巡る、菱刈町・黄金の町の聖地巡礼コース。
美里町・石橋の里ルート
霊台橋から大窪橋、馬門橋を巡る、九州石橋文化の聖地巡礼。石匠館で石橋技術の歴史を学べます。
霧島・磨崖仏ルート
菅原神社磨崖仏と清水磨崖仏を巡る、九州磨崖仏文化の聖地巡礼コース。
視聴者の声・評判
評価スコア
浅見光彦シリーズ屈指の九州ロケ作品として、シリーズファンから高い評価を獲得。九州石橋文化と菱刈金山という独特な題材選びと、榎木孝明の二役という挑戦的な構造が魅力です。
好評だったポイント
「榎木孝明の二役が見事」「メタフィクション的な仕掛けが新鮮」「菱刈町と熊本石橋の風景が美しい」「黄金と石橋という題材の妙」「九州南部の旅情満喫」「内田康夫×石原武龍の重厚な脚本」――シリーズの中でも珍しい構造を持つ名作旅情ミステリーとして記憶されています。