作品紹介
『さかなのこ』は2022年9月1日公開の日本映画。原作はさかなクンの初の自叙伝『さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜』。監督・脚本は『南極料理人』『横道世之介』の沖田修一で、主演はのん。共演に柳楽優弥、夏帆、磯村勇斗、岡山天音、井川遥、三宅弘城ほか。さかなクン本人も「ギョギョおじさん」役で出演しています。
小学生のミー坊は、寝ても覚めても魚のことばかり考えている少年。父親は「ほかの子と違う」と心配しますが、母親(井川遥)はそんなミー坊を温かく見守り、背中を押し続けます。高校生になっても魚に夢中なミー坊は、なぜか町の不良たちとも妙に馬が合う。やがてひとり暮らしを始めたミー坊は、水族館のアルバイト、旧友との再会、思いがけない出会いを重ねながら、ミー坊にしか進めない道へと飛び込んでいきます。
ロケ地の中心は、静岡と千葉の海辺。ミー坊が働く水族館は静岡県沼津市の無人島にあるあわしまマリンパーク、不良グループとのやり取りが撮られたのは千葉県館山市の布良漁港です。房総フラワーライン〜伊戸港海岸線をスクーターで走る場面や、根本港・根本海水浴場での会話など、房総半島の海が全編を通じて画面を明るくしています。
話題になったポイント
のんが男女の枠を超えて「ミー坊」を演じる
男性であるさかなクンの半生を、のんが性別を超えて演じるという配役が公開前から話題に。冒頭に「男か女かはどっちでもいい」というテロップが出る演出も含め、作品全体が「はみ出すこと」を肯定する姿勢で貫かれています。
沖田修一らしい「何も起きない」おかしみ
『南極料理人』の沖田修一監督らしく、大事件は起きないまま、妙な間とやり取りだけで140分近くを見せ切る構成。不良たちとミー坊の距離感など、笑いと優しさが同居する場面が随所にあります。
さかなクン本人の出演
原作者のさかなクンが「ギョギョおじさん」として出演。ミー坊が魚の世界にのめり込むきっかけをつくる、物語の入口にあたる役どころです。
ロケ地ガイド
静岡・沼津エリア
ミー坊が働く水族館と、少年期の風景。
- あわしまマリンパーク:静岡県沼津市内浦重寺。ミー坊がアルバイト先の水族館で転ぶシーン。船でしか渡れない無人島「淡島」にあった水族館です。
- 妙田寺裏の道:静岡県沼津市井田周辺。小学生に「ミー坊」と呼ばれる道のシーン。西伊豆・井田の集落の細道です。
千葉・館山/南房総エリア
ミー坊と不良たちの青春が刻まれた、房総の海辺。
- 布良漁港:千葉県館山市布良。不良グループの前でミー坊がヒヨに手を振る漁港のシーン。房総半島最南端に近い、静かな漁港です。
- 房総フラワーライン〜伊戸港海岸線:千葉県館山市伊戸周辺。スクーターで海岸沿いを走るシーン。「日本の道100選」に選ばれた海沿いのドライブルートです。
- 根本港・根本海水浴場:千葉県南房総市白浜町根本。スーツ姿のヒヨが話すシーン、モモコとの会話シーン。
千葉・鴨川/千葉市エリア
- 鴨川シーワールド:千葉県鴨川市東町。モモコが娘に魚図鑑をプレゼントするシーン。シャチのパフォーマンスで知られる日本有数の水族館です。
- 千葉テレビ放送スタジオ:千葉県千葉市中央区都町。テレビ番組「木戸まさしのあやしい動物園」のスタジオシーン。
聖地巡礼のおすすめルート
館山・房総フラワーラインルート
房総フラワーライン〜伊戸港海岸線をスクーターや車で走り、布良漁港、根本港・根本海水浴場へ。房総半島の南端をなぞる、本作でもっとも気持ちのいいドライブコースです。菜の花の季節(1〜3月)は道沿いが花で埋まります。
沼津・西伊豆 水族館ルート
あわしまマリンパークのある内浦重寺から、西伊豆の妙田寺裏の道がある井田へ。駿河湾越しに富士山を望む海岸線をたどる、静岡一日コース。
鴨川・水族館ルート
鴨川シーワールドを訪ねる、家族連れにも向いた半日コース。シャチとベルーガのパフォーマンスは必見で、映画を見た後だと魚の見え方が変わります。
視聴者の声・評判
評価スコア
Filmarksの平均スコアは★4.0。地上波放送のたびに新しい観客を獲得し続けており、「好きなことを続けていいと言ってくれる映画」として長く支持されています。
好評だったポイント
「笑えて、泣けて、最後に背中を優しく押してくれる」「のんのミー坊が完全にハマっている」「井川遥の母が理想的すぎる」「柳楽優弥の不良がかっこいい」「沖田修一らしい間の取り方が最高」「房総の海が明るくて気持ちいい」――「変わっている」ことを矯正せずに肯定する物語として、幅広い世代から愛されている作品です。