作品紹介
『民王』は、池井戸潤の同名小説を原作とした2015年放送のテレビ朝日系ドラマです。内閣総理大臣・武藤泰山(遠藤憲一)と、その大学生の息子・武藤翔(菅田将暉)の心と体が突然入れ替わってしまうという衝撃的な事件から物語は始まります。金曜ナイトドラマ枠で全8話が放送されました。
政治の世界など全く知らない翔が総理大臣として国会に立ち、一方の泰山は息子になりすまして就職活動に奔走するという、前代未聞のドタバタ劇が展開されます。しかし、大人の事情に染まっていない翔のまっすぐな言葉が、やがて国会や国民の心を動かしていきます。政治風刺とホームコメディを見事に融合させた、笑いと感動の社会派エンターテインメントです。
脚本は西荻弓絵が担当し、遠藤憲一と菅田将暉のダブル主演という異色のキャスティングも話題を呼びました。共演には本仮屋ユイカ、知英、高橋一生、草刈正雄、西田敏行ら豪華俳優陣が名を連ねています。
話題になったポイント
遠藤憲一×菅田将暉の「入れ替わり」演技
本作最大の見どころは、遠藤憲一と菅田将暉による入れ替わり演技です。遠藤憲一が大学生の軽やかさを、菅田将暉が総理大臣の威厳と貫禄を演じ分ける姿は、視聴者から「鳥肌が立つほどの演技力」と絶賛されました。特に菅田将暉は、一瞬で大学生から総理大臣の顔に切り替わる表現力が高く評価され、本作が若手俳優としての評価を不動のものにした作品のひとつとなりました。
池井戸潤原作×政治コメディという新ジャンル
『半沢直樹』『下町ロケット』など社会派作品で知られる池井戸潤の原作ですが、本作はコメディ色が強く、池井戸作品の新たな魅力を引き出しました。政治の世界を舞台にしながらも堅苦しさは一切なく、親子の絆や若者の純粋さが政治を変えていくという痛快なストーリーが、幅広い世代に支持されました。深夜枠ながらSNSで口コミが広がり、大きな話題となりました。
豪華脇役陣の好演
高橋一生が演じた秘書・貝原茂平のクールで的確な仕事ぶりは「理想の秘書」として人気を博し、高橋一生のブレイクのきっかけのひとつとなりました。また、草刈正雄や西田敏行といったベテラン俳優たちが政界の重鎮を重厚に演じ、コメディの中にもリアリティを持たせる名演が光りました。
ロケ地ガイド
港区・渋谷区エリア(武藤家・官邸周辺)
ドラマの主要舞台となる武藤家や首相官邸のシーンは、広尾や駒沢周辺で撮影されました。都心の閑静な住宅街の雰囲気が、総理大臣一家の生活感を演出しています。
- 旧石丸邸ガーデンテラス広尾:武藤家の外観として使用された洋館。広尾の緑豊かな環境が総理大臣邸にふさわしい品格を醸し出しています。
- 駒澤大学深沢キャンパス:首相官邸の外観として撮影された場所。重厚な建物が官邸の雰囲気を再現しています。
- 山野美容芸術短期大学:内閣総理大臣執務室のシーンが撮影された場所です。
- スパイスカフェ:劇中に登場する「キッチンやみくも」として使われた飲食店。墨田区の人気カフェです。
国会・政界関連施設
政治ドラマとしてのリアリティを支える国会関連のシーンは、実際の国会議事堂のほか、各地の議場や公共施設で撮影されました。
- 国会議事堂:そのまま国会議事堂として登場。日本政治の中枢が舞台となる重要なロケ地です。
- 多古町役場:予算委員会が開かれた議場内部のシーンに使用されました。
- 静岡県議会議場:最終話で内閣不信任決議案の採決が行われた議場として登場しました。
- 横浜シーサイドライン:憲民党本部の外観として使用されました。
- 足利商工会議所本部事務所:第7話に登場する共和党の建物として撮影されました。
大学・学校関連
武藤翔の大学生活やフリースクールのシーンは、茨城県や東京都内の教育施設で撮影されています。
- 茨城県立医療大学:翔が通う早背山大学のキャンパスとして使われました。
- 彩星学舎:第5話に登場するフリースクール「ジャカランダ」のロケ地です。
- 渋谷ファッション&アート専門学校:第4話のKIRIZUKI社が入るビルとして登場しました。
レストラン・料亭・バー
政治家の会食や登場人物たちの飲食シーンには、実在する料亭やバーが多数使われています。
- 料亭 千代田:劇中の「鮨屋平八郎」の外観として使用されました。
- うにしゃぶ寿司割烹 はながこい 青山本店:「鮨屋平八郎」の店内シーンが撮影された場所です。
- 大宮料亭一の家:第4話で武藤泰山が党の重鎮に呼び出された料亭です。
- 料亭霞月楼:最終話で蔵本志郎と城山和彦が会談した料亭。土浦の歴史ある料亭です。
- bar&dining KITSUNE:第3話で村野エリカの誕生パーティーが行われた店の店内です。
- 串カツ若菜:第5話で狩屋孝司と貝原茂平が話をしていた串カツ屋です。
東京都内の街中ロケ地
都内各所の街並みや公園も、印象的なシーンの舞台となっています。
- 東京国立博物館:武藤内閣の閣僚が記念撮影をしていた階段のシーンで使用されました。
- 大森駅東口駅前広場:回想シーンで蔵本志郎と武藤泰山が街頭演説をしていた場所です。
- 明治神宮外苑聖徳記念絵画館:エンディングでmiwaがギターを背負って走る印象的なシーンのロケ地です。
- 蚕糸の森公園:第6話で南真衣と武藤翔が話をした公園です。
- ヤマダ電機LABI新橋生活館:武藤泰山の緊急記者会見を人々が見ていた街頭ビジョンの場所です。
- JR東北本線上野駅:回想シーンで武藤泰山が街頭演説をしていた場所です。
- 国会前交差点:最終話で武藤翔と村野エリカが渡っていた交差点です。
横浜・千葉・その他のエリア
首都圏近郊の施設も多数ロケ地として活用されています。
- 横浜ベイホテル東急:最終話で武藤内閣の閣議が行われた部屋として撮影されました。
- 東千葉メディカルセンター:第3・4話の防衛省技術研究本部として使用されました。
- 五井病院:第7話に登場する向井記念病院のロケ地です。
- 学士会館:最終話で武藤泰山と貝原茂平が和睦した廊下のシーンが撮影されました。
- 清水ヶ丘公園:回想シーンで狩屋孝司が幼い武藤翔を助けた公園です。
聖地巡礼のおすすめルート
広尾・渋谷〜国会議事堂 政治の中枢を巡るルート
武藤家のロケ地である旧石丸邸ガーデンテラス広尾からスタートし、東京国立博物館で閣僚記念撮影の階段を見学。その後国会議事堂周辺を散策し、国会前交差点で最終話の名シーンに思いを馳せましょう。午後は明治神宮外苑聖徳記念絵画館でエンディングの雰囲気を味わうことができます。政治の中心地を歩きながら、ドラマの世界観に浸れる半日コースです。
下町グルメ&カルチャー巡りルート
墨田区のスパイスカフェ(キッチンやみくも)でランチを楽しんだ後、ツインボックス秋葉原で秋葉原の雰囲気を堪能。料亭 千代田やはながこい青山本店で劇中の「鮨屋平八郎」の世界を体験できます。食と文化を楽しみながら巡る、グルメファンにもおすすめのルートです。
横浜〜土浦 郊外ロケ地ドライブルート
横浜シーサイドライン沿線を散策した後、横浜ベイホテル東急でラウンジ休憩。車で移動して料亭霞月楼のある土浦へ。歴史ある料亭の趣を楽しみながら、ドラマの最終話で描かれた政治家たちの密談シーンを思い出すことができます。一日かけてゆったり巡るドライブルートです。
視聴者の声・評判
評価スコア
映画レビューサイトFilmarksでは約16,400件以上のレビューが寄せられ、平均スコアは5点満点中4.1点という高い評価を獲得しています。評価分布では4.1〜5.0が50%、3.1〜4.0が46%と、視聴者の大多数が好意的な評価を付けており、深夜枠のドラマとしては異例の高評価作品です。
好評だったポイント
最も多くの視聴者が称賛したのは、遠藤憲一と菅田将暉の入れ替わり演技です。「一瞬で大学生の息子から父親の顔に切り替わる菅田将暉の表現力に脱帽」「遠藤憲一がチャラい大学生を演じる姿が最高に面白い」といった声が多数寄せられました。また、「深夜枠でノーマークだったのに口コミで広まった」「全編通して腹を抱えて笑った」「コメディとしても面白いし、真面目なドラマパートもよくできている」など、笑いと感動のバランスが絶妙な脚本も高く評価されています。池井戸潤原作ならではの社会派メッセージを、エンターテインメントとして楽しめる稀有な作品として、多くのファンに愛されています。