作品紹介
『転校生』は1982年4月17日公開の日本映画(loca.ash.jpデータベース上は1994年区分)。監督は大林宣彦、原作は山中恒の児童文学『おれがあいつであいつがおれで』。主演は尾美としのり(斉藤一夫役)と小林聡美(斉藤一美役)、共演に樹木希林、宍戸錠、佐藤充、入江若葉、志穂美悦子、林優枝、中川勝彦、近松麗江など。大林宣彦監督の「尾道三部作」の第1作。広島県尾道市を舞台に、神社の階段から転げ落ちて心と身体が入れ替わってしまった幼なじみの男女中学生を描いた青春映画の傑作。前半モノクロ・後半カラーという独創的な映像表現で、邦画青春映画の金字塔として現在も語り継がれる名作です。
東京から尾道に転校してきた斉藤一美(小林聡美)は、幼なじみの斉藤一夫(尾美としのり)と再会します。ある日、二人で御袖天満宮の石段で遊んでいた一美と一夫は、運悪く一緒に転がり落ちてしまいます。気付くと――なんと中身が入れ替わってしまっていた!一夫の身体には一美が、一美の身体には一夫が入ってしまったのです。突然の異変に戸惑う二人ですが、誰にも秘密を明かせないまま、相手の生活を演じることに。
男性器に戸惑う一美(中身は一夫)、女性らしい振る舞いに苦戦する一夫(中身は一美)――それぞれの家族・学校・友人関係を「演じる」中で、二人は「異性の身体で生きる」体験を通じて、お互いの違いと共通点を学び、人間として大きく成長していきます。御袖天満宮の階段、福善寺、ワッフル屋「こもん」、文学の小道、JR尾道駅、立花海岸、福山城など、尾道の坂と海と寺の風景を活写した大林宣彦監督の集大成的作品。8ミリ映像も効果的に挿入し、古き良き町・尾道を魅力的に描き出した、邦画青春映画の不朽の名作です。
話題になったポイント
大林宣彦「尾道三部作」の第1作
大林宣彦監督が故郷・尾道を舞台に撮った「尾道三部作」(『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』)の第1作。本作の成功により、尾道は「映画の聖地」として全国に知られるようになり、後の聖地巡礼ブームの先駆けとなりました。
前半モノクロ・後半カラーの斬新な映像表現
ふたりが入れ替わるまでをモノクロで、入れ替わってからはカラーで描き分けるという、当時として斬新な映像表現が話題に。さらに8ミリ映像も効果的に挿入し、大林監督ならではの幻想的な映像美が観客を魅了しました。
御袖天満宮の階段が「聖地」に
一夫と一美が転がり落ちる御袖天満宮の階段は、本作以後「転校生の階段」として全国の大林ファン・尾道ファンの聖地となりました。現在も尾道観光の代表的なスポットとして多くの観光客が訪れています。
ロケ地ガイド
千光寺山・東土堂エリア
大林映画の聖地・尾道の中心。
- 御袖天満宮:尾道市長江1丁目、一夫と一美が転がり落ちる伝説の石段。本作最大の聖地。
- 坂道:尾道市東土堂町、尾道らしい風情ある坂道。
- 福善寺:尾道市長江1丁目、尾道の古刹。
- JR山陽本線尾道駅:尾道市東御所町、一美が転校してきた尾道の玄関口。
- 文学の小道:尾道市東土堂町、千光寺山の文学散策路。
- ワッフル屋「こもん」:尾道市長江1丁目、尾道の人気ワッフル店。
長江・尾崎・西土堂エリア
一夫と一美の家。
- 一軒家:尾道市尾崎本町、一夫の家。
- 一軒家:尾道市西土堂町、一美の家。
- 長江小学校への坂道:尾道市長江2丁目。
- JR山陽本線の跨線橋:尾道市土堂1丁目。
- JR山陽本線の踏切:尾道市土堂2丁目。
向島・福山エリア
瀬戸内海と城下町。
- 尾道大橋:尾道市向東町、尾道と向島を結ぶ大橋。
- 立花海岸:尾道市向島町立花、瀬戸内の海岸。
- 尾道市役所前の道路:尾道市久保1丁目。
- 福山城:福山市丸之内1丁目、福山の名城。
- 佳之江旅館:尾道市瀬戸田町沢。
聖地巡礼のおすすめルート
御袖天満宮・千光寺山ルート
JR尾道駅を起点に御袖天満宮の伝説の石段で「転がり落ちごっこ」(安全に!)、その後福善寺と文学の小道を巡る、転校生聖地巡礼の王道コース。
長江・尾崎ルート
一夫の家と一美の家を巡り、ワッフル屋「こもん」でひと休みする、二人の生活圏散策コース。
向島・立花海岸ルート
尾道大橋を渡り、立花海岸と佳之江旅館を巡る、瀬戸内ドライブコース。
視聴者の声・評判
評価スコア
大林宣彦監督の代表作にして、邦画青春映画の不朽の名作。キネマ旬報ベスト・テンで第2位を獲得し、現在も大林ファン・尾道ファンから根強く愛される一作です。
好評だったポイント
「小林聡美と尾美としのりの演じ分けが見事」「尾道の風景が美しい」「大林宣彦の幻想的な映像表現」「青春映画の金字塔」「御袖天満宮の階段シーンが印象的」「8ミリ映像が効果的」「樹木希林の存在感」――邦画史に残る大林宣彦の傑作として、現在も新たな観客を獲得し続けています。