作品紹介
『とと姉ちゃん』は、2016年4月4日から10月1日まで放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)第94作です。生活総合雑誌『暮しの手帖』および出版元・暮しの手帖社の創業者・大橋鎭子と、天才編集者・花森安治の雑誌出版の軌跡をモチーフにしたフィクション。主演は高畑充希(小橋常子)、共演に唐沢寿明(花山伊佐次・モデル花森安治役)、西島秀俊、相楽樹、杉咲花、向井理など豪華キャスト。脚本は西田征史(『デート〜恋とはどんなものかしら〜』)、主題歌は宇多田ヒカルの『花束を君に』。戦前・戦後の激動の昭和を生き抜き、女性のための雑誌を作り上げる三姉妹の家族年代記です。
静岡県・遠州生まれの小橋常子(高畑充希)は、亡き父に代わって母と妹たちを守る「とと(父親)」の役割を果たし「とと姉ちゃん」と呼ばれて育つ。戦前の浜松、染物業界、深川の町、戦災、戦後の東京――三姉妹(常子・鞠子・美子)が困難を乗り越え、母・君子と共に生きていく家族年代記。やがて常子は東京で「あなたの暮し」雑誌出版社を立ち上げ、「魂のパートナー」である天才編集者・花山伊佐次(唐沢寿明)と出会い、戦後復興期の女性の暮らしの復興に明かりをともす雑誌を世に送り出していく――。
監督は田中健二・松園武大・川野秀昭、脚本は西田征史。トチセン(栃木)、佐鳴湖(静岡浜松)、大井川蓬莱橋、中田島砂丘など静岡ロケを徹底実施。さらに江戸東京たてもの園、ワープステーション江戸(茨城)、千葉県立佐倉高等学校、埼玉県立深谷商業高等学校など、戦前・戦後の風景を再現できるロケ地を網羅。山本有三記念館、山二証券など東京の名建築も登場。本家『暮しの手帖』からは「花森安治の反権力精神を描いていない」と批判もあったが、高畑充希の生き生きとした演技と、戦中・戦後の女性の生き様を描いた朝ドラとして広く支持されました。
話題になったポイント
高畑充希の朝ドラ主演
当時24歳の高畑充希が朝ドラ第94作の主演に。歌唱力と演技力を持ち合わせた実力派として、本作で全国区の知名度を獲得。後の『過保護のカホコ』『忍ぶ恋』『コタローは1人暮らし』などにつながる、女優としてのキャリアを確立した出世作です。
『暮しの手帖』創業者がモデル
ヒロインのモデルは『暮しの手帖』創業者・大橋鎭子と、天才編集者・花森安治。日本の生活雑誌の歴史を作った2人の物語をフィクションとして描く挑戦的な題材で、本家『暮しの手帖』からは「花森安治の反権力精神が描かれていない」との批判も。それでも朝ドラとしての完成度は高く評価されました。
宇多田ヒカルの主題歌『花束を君に』
主題歌は宇多田ヒカルの『花束を君に』。宇多田にとってNHKドラマへの初の書き下ろし楽曲提供で、本作放送中に宇多田の音楽活動復帰のきっかけにもなった重要な楽曲。朝ドラ史上最も話題になった主題歌の一つです。
ロケ地ガイド
静岡・遠州エリア
本作の前半舞台、小橋家の故郷。
- 庄内湖畔:静岡県、染物干場のある湖畔。
- 佐鳴湖:静岡県、紅葉狩りの湖。
- 大井川の蓬莱橋:静岡県、小橋常子の渡る橋。
- 中田島砂丘:静岡県、第2話の二人三脚練習の砂浜。
- 五味半島:静岡県、第2話の小橋鉄郎を見かけた水辺。
- 極楽寺:静岡県、第2話の鳩を捕まえた寺。
- 大井川鉄道大井川第一橋梁:静岡県、第2話の東京行列車の鉄橋。
戦前・戦後の街並み再現
昭和ロケ地を徹底活用。
- トチセン:栃木県、遠州浜松染工。
- 江戸東京たてもの園:東京都、小橋家のある静岡の町並み。
- ワープステーション江戸:茨城県、東京深川の町並み。
- 農地:茨城県、桜の木に花を飾った浜松の農地。
学校・寺院シーン
- 旧須賀川小学校:栃木県、小橋常子が通う小学校。
- 千葉県立佐倉高等学校:千葉県、小橋常子が通う高等学校。
- 埼玉県立深谷商業高等学校:埼玉県、編入した高等学校。
- 飯高寺:千葉県、第5話のお祈りの寺。
東京エリア
聖地巡礼のおすすめルート
静岡・遠州とと姉ちゃんコース
JR浜松駅から佐鳴湖→中田島砂丘→大井川蓬莱橋と巡る1日コース。前半の小橋家の世界を体感できます。
東京・編集者の街コース
江戸東京たてもの園と山本有三記念館を組み合わせる昭和の街並み巡り。
視聴者の声・評判
評価スコア
朝ドラ第94作として平均視聴率22.0%超の好成績。「高畑充希の演技」「宇多田ヒカルの主題歌」「戦中・戦後の女性の生き様」と高評価を獲得しました。
好評だったポイント
「高畑充希の生き生きした演技」「唐沢寿明の花山伊佐次」「宇多田ヒカル主題歌の感動」「三姉妹の家族年代記」「『暮しの手帖』創業の物語」「江戸東京たてもの園の昭和再現」「戦中・戦後の浜松ロケ」といった感想が並び、2010年代後半の朝ドラ代表作として記憶されています。