作品紹介
「笑える恋はしたくない」は、2006年12月に放送された全3話の短編連続ドラマです。脚本は人気放送作家の鈴木おさむ、主演には南海キャンディーズの山崎静代(しずちゃん)と次長課長の河本準一という、当時のお笑いシーンを代表する二人をW主演に据えた異色のクリスマスラブストーリーとして話題を呼びました。
物語の舞台は、東京の大手百貨店「大山屋」。エレベーターガールの長井鈴音(山崎静代)は、ある日デパートに配達にやって来た青年・赤井三太(増田貴久)に一目惚れします。一方、デパ地下の洋菓子店「ヘブン」の店長・戸中一平(河本準一)は、同じ百貨店の受付嬢・栗栖理香に思いを寄せ、得意のケーキ作りで彼女の心を射止めようと奮闘します。
笑いを生業とする二人が、あえて「笑える恋」ではなく不器用で切実な恋に向き合う姿を描いた本作。やがて鈴音も戸中も、それぞれが想いを寄せる相手の「秘密」を知ることになり、ほろ苦くも温かなクリスマスの恋模様が紡がれていきます。平均視聴率は8.3%を記録しました。
話題になったポイント
お笑い芸人によるW主演という挑戦
南海キャンディーズの山崎静代と次長課長の河本準一という、ともにお笑い界の実力者を主演に起用したキャスティングが大きな注目を集めました。コメディエンヌ・コメディアンとしての顔を持つ二人が、笑いに逃げず真っ直ぐに恋する人物を演じきった点が、本作最大の見どころです。
鈴木おさむが描くクリスマスドラマ
数多くのバラエティ番組やドラマを手がけてきた放送作家・鈴木おさむが脚本を担当。タイトルの「笑える恋はしたくない」という言葉に込められた、笑いの世界に生きる人物たちの本気の恋という逆説的なテーマが、視聴者の心をくすぐりました。主題歌にはFayrayの「光」が起用され、冬の物語を彩りました。
デパートを舞台にした職業ドラマ的な味わい
エレベーターガールとデパ地下のパティシエという、百貨店ならではの職業設定も本作の魅力です。きらびやかな売り場の表と裏で交錯する人間模様が、年末の華やかな季節感とともに丁寧に描かれました。
ロケ地ガイド
横浜エリア(みなとみらい・桜木町)
物語の中心となる百貨店や、終盤の印象的なシーンの多くは横浜のみなとみらい・桜木町周辺で撮影されました。港町の洗練された景観が、デパートを舞台にしたラブストーリーの雰囲気を引き立てています。
- 横浜ワールドポーターズ:物語の主舞台となる百貨店「大山屋」として登場します。
- 富士ソフトビル:第1話に登場する「赤坂テレビ」の建物として使われました。
- GENTO YOKOHAMA:最終話、登場人物たちが偶然出会うシーンの舞台です。
- ベイサイド迎賓館横浜:最終話の待ち合わせ場所として登場します。
- ZAIM(旧横浜地方裁判所刑事庁舎):最終話、配達の途中で携帯電話で会話するシーンに使われました。
横浜エリア(元町・港北)
レトロな街並みが魅力の元町や、郊外の港北エリアも撮影に活用されています。
- 横浜市元町商店街:第1話の配達シーンが撮影された、横浜を代表するおしゃれな商店街です。
- 雑居ビル(元町):元町2丁目にあるビルが、登場人物・友子の店「つぐない」として使われました。
- 東急百貨店港北店:吹き抜け空間での会話シーンが撮影されました。
東京エリア
合コンや食事、デートなど、物語の節目となるシーンは東京都内の個性的なスポットでも撮影されました。
- ざ・うお赤坂店:第1話、釣堀を備えたユニークな店内での合コンシーンに登場します。
- 学士会館の「ラタン」:最終話の食事シーンの舞台となった、歴史ある建物内のレストランです。
- 花やしき:最終話、浅草の老舗遊園地でのデートシーンが撮影されました。
千葉エリア
デパ地下のケーキ店の舞台は、横浜を離れた千葉県木更津のショッピング施設で撮影されています。
- スパークルシティ木更津:戸中が店長を務めるケーキ店「ヘブン」のシーンが、施設の5階を使って撮影されました。
聖地巡礼のおすすめルート
みなとみらい・新港エリア集中コース
効率よく巡るなら、物語の主舞台である横浜ワールドポーターズを起点に、みなとみらい・新港地区を歩くのがおすすめです。ワールドポーターズから日本大通り方面へ向かえばZAIM(旧横浜地方裁判所刑事庁舎)、海側へ回ればベイサイド迎賓館横浜と、最終話の舞台が徒歩圏内に点在しています。桜木町駅前の富士ソフトビルやGENTO YOKOHAMAもあわせて回れば、半日でドラマの世界観を堪能できます。
元町レトロ散策コース
港の景観とは趣の異なる、レトロでおしゃれな街並みを楽しみたい方には元町エリアがおすすめです。第1話の配達シーンが撮影された横浜市元町商店街を散策しながら、劇中で友子の店として登場した元町の雑居ビル周辺の雰囲気を味わってみてください。ショッピングやカフェ巡りと組み合わせるのにも最適なコースです。
視聴者の声・評判
評価スコア
全3話という短い構成の年末特別ドラマながら、平均視聴率8.3%を記録しました。お笑い芸人のW主演という意外性のあるキャスティングと、鈴木おさむによる脚本が、放送当時から話題を集めた作品です。
好評だったポイント
普段はバラエティで活躍する山崎静代と河本準一が、笑いに頼らず真摯に恋を演じた点が好意的に受け止められました。「笑える恋はしたくない」というタイトルに込められた、お笑いの世界に生きる人々の本気の恋というテーマに共感する声も。クリスマスシーズンにぴったりの温かくほろ苦い物語として、また横浜・みなとみらいや元町といった魅力的なロケーションを楽しめる作品として、いまも記憶に残る一作となっています。