作品紹介
『浅見光彦シリーズ10 イーハトーブの幽霊』は、2000年10月27日にフジテレビ系「金曜エンタテイメント」枠で放送された2時間サスペンスドラマです。原作は内田康夫の同名小説『イーハトーブの幽霊』(光文社文庫)。フジテレビ版「浅見光彦シリーズ」第10作にあたり、主演は榎木孝明(中村俊介の前任、第10〜14作のシリーズ主演)、共演に紫吹淳、寺脇康文、伊藤洋三郎ほか。宮沢賢治が「イーハトーブ」と名付けた岩手県花巻市を舞台に、賢治ゆかりの地を巡る幽霊事件のミステリーが展開されます。
『旅と歴史』編集長の命を受け、浅見光彦(榎木孝明)は花巻祭り取材のため宮沢賢治ゆかりの岩手県花巻市を訪れる。だが直後、宮沢賢治ゆかりの「イギリス海岸」「さいかち淵」で相次いで二人の男の遺体が発見される。被害者の一人は死の直前に「幽霊を見た」と周囲に漏らしていた。被害者は地元のブティック経営者と郵便局長で、北上西岸と豊沢川にそれぞれ遺棄されており、二人は小中学の同級生だった——。光彦は花巻の文学的風景を巡りながら、宮沢賢治の世界と幽霊伝説の謎に迫っていきます。
JR東北本線花巻駅、宮沢賢治記念館、ベイシー(盛岡の名門ジャズ喫茶)、イギリス海岸、花巻温泉千秋閣、豊沢川さいかち淵、花巻城跡、カフェ・ド・蔵、やぶ屋花巻総本店——宮沢賢治の世界そのものとも言える花巻の名所をふんだんに使ったロケが特色。文学ファン・賢治ファンの聖地巡礼スポットとしても親しまれる作品です。
話題になったポイント
宮沢賢治の世界「イーハトーブ」
宮沢賢治が理想郷として名付けた「イーハトーブ」(岩手のエスペラント語的表記)。賢治の文学世界をミステリーの舞台にした内田康夫の意欲的な構成が、文学ファンと推理ファン双方を魅了しました。
ジャズ喫茶ベイシー登場
盛岡の名門ジャズ喫茶「ベイシー」(菅原正二マスターのオーディオ伝説で知られる)が、被害者の娘・郡池恵がバイトする店として登場。本物のジャズ喫茶のリアルな雰囲気が、本作の文化的深みを加えています。
榎木孝明の浅見光彦
第10〜14作のシリーズ主演を務めた榎木孝明の浅見光彦。中村俊介版とはまた違った、知的で品のある光彦像が、シリーズの初期黄金期を担いました。
ロケ地ガイド
花巻(事件の中心地・賢治の世界)
宮沢賢治ゆかりの場所が事件現場に。
- 観音山:花巻市、冒頭の花巻散村風景。
- JR東北本線花巻駅:花巻市大通り、JR花巻駅。
- 宮沢賢治記念館:花巻市矢沢、光彦が郡池恵と出会った宮沢賢治記念館。
- ベイシー:一関市地主町、郡池恵がバイトするジャズ喫茶ベイシー。
- イギリス海岸:花巻市上小舟渡、事件があった「イギリス海岸」(賢治命名)。
- 千秋閣:花巻市湯本、光彦が宿泊した花巻温泉千秋閣。
- レディースペースイワタ:花巻市、郡池恵が住むブティック。
- 花巻城跡:花巻市、光彦が小林刑事と会った花巻城跡。
- 豊沢川のさいかち淵:花巻市、事件があった豊沢川(賢治童話ゆかり)。
- カフェ・ド・蔵:花巻市、光彦が郡池恵と話をした蔵造りの店。
- 吹張商店街:花巻市吹張町、光彦と小林刑事が話していた商店街。
- やぶ屋花巻総本店:花巻市吹張町、光彦と小林刑事がそばを食べたそば屋。
- おでれんせ:花巻市、光彦と小林が聞き込みに行った光文堂文具店。
- 誠山房:花巻市、光彦と小林が聞き込みに行った書店。
- JR北上線:岩手県、轢死体があった線路。
東京・浅見家のシーン
シリーズおなじみの東京シーン。
- 猿楽町町会詰所:千代田区猿楽町、光彦が連れて行かれた交番。
聖地巡礼のおすすめルート
宮沢賢治イーハトーブルート
JR東北本線花巻駅から宮沢賢治記念館、イギリス海岸、豊沢川のさいかち淵を巡る花巻コース。賢治ファン・文学ファン必訪の聖地です。
花巻温泉湯治ルート
千秋閣に宿泊し、やぶ屋花巻総本店でそばを食す花巻温泉湯治コース。光彦の取材旅行を体感できます。
視聴者の声・評判
評価スコア
2000年放送、浅見光彦シリーズ第10作。榎木孝明主演期の代表作として、シリーズファンに支持されました。
好評だったポイント
「宮沢賢治の世界が舞台で文学的」「榎木孝明の品のある光彦」「花巻のロケが旅情豊か」「ベイシー登場が嬉しい」「内田康夫原作の深み」と評価され、文学的サスペンスの好事例として記憶されています。